「お祈りメール」の恐怖

 就職活動中の学生さんは、選考で落とされたとき、いわゆる「お祈りメール」をもらうと思います。メールの末尾に、「○○様の今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます」と書かれている、アレです。

 現在転職活動中の私にも、似たような不採用通知が送られてきます。それは、「選考結果のご連絡」というタイトルで。このタイトルのメールが来たら「あ、またどっか落ちたな」と、メールを開かずとも分かります。

「先日ご応募いただいた企業の書類選考結果をお伝えさせていただきます。大変恐れいりますが今回はご期待に添えない結果となりました」

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 と、お決まりの言葉が書かれているのです。

「選考結果のご連絡」という名の不採用通知

 私は、昨年の12月、エージェントに紹介されたものを中心に、目に付いた企業に、文字どおり手あたりしだい応募しました。学生時代の就職活動では、ほぼマスコミしか受けていなかった反省もあり、色んな企業を見て、自分に合うところを見つけたいと思ったからです。

・たばこや食品を製造・販売している会社
・お寺の系列の不動産会社
・ビジネス書籍を中心に扱う出版社
・新聞社のグループ会社の出版社
・燃費不正問題に揺れていた自動車メーカー
・WELQ問題で炎上したものの、今なお復活を望む声が聞かれるキュレーションプラットホームの会社(ちなみに応募時は炎上前)

 すこしでも興味を持ったらワンクリック。エージェント経由だと、これだけで応募完了というお手軽さなので、正直何社応募したのか把握できないほど応募してしまいました。

 なのに、ほっとんど落ちました。そして、この「選考結果のご連絡」を数えきれないほどもらったのです。

 もう、数えたらユウウツになるので、数えるのを途中でやめました。それくらい落ちました。えっ、エージェントが噛んだら書類選考率が上がるという話は嘘だったの? って八つ当たりしたくなるくらい落ちました。

ご丁寧に書かれた不採用の理由

 エージェントを通すと、「選考結果のご連絡」に、不採用の理由も添えてもらえます。

・今までのご経験と企業が求めるスキル・キャリアが若干異なったため
・より条件に合致する候補者が他におられたため
・英語力が不足しているため

 多かったのは「今までのご経験と企業が求めるスキル・キャリアが若干異なったため」です。

 新聞記者は転職活動が難しいとは聞いていましたが、これほどとは……。「ミスマッチがあるなら最初からオススメしないでほしい!」と、エージェントに逆恨みのような気持ちを抱いてしまいます。

 しかし、中には「定員充足のため」というのもあり「よかった。私自身の問題ではなく、タイミングが悪かったんだ」と自分を慰めることもできたので、振り返ってみれば不採用の理由がわかるのは大変ありがたいことでした。

面接にこぎつけたものの……

 とにもかくにも落ちまくり、書類選考を通過し、面接にこぎつけたのはたったの3社。

 しかし、結論を先に言えば、この3社ともご縁はありませんでした。

 1社目は、危機管理広報の会社。

 法人向けに、不祥事発生時の記者会見に備えたトレーニングなどを提供している企業です。記者時代の経験を生かせるのでは、と思い応募しました。

 この企業に関しては、内定を辞退した例のベンチャーと同じ頃に面接を受けていました。

 例のベンチャーと比較すると、待遇はよくありません。しかも、「不測の事態に備える」のが本業の、おカタい仕事です。面接を受けながら、いくら経験が生かせても、自分にはこのおカタい仕事を長く続ける自信はないなと感じ、途中で選考を辞退しました。

 後から考えると、選考辞退なんてぜいたくな話。でも、このときはまだ何もわかっていなかったのです。