中小の転職エージェントはあなどり難し
前回ご紹介した大手の転職エージェントとの面談と並行して、中小の転職エージェントとの接触も図りました。
一般的に、中小の転職エージェントは、大手と比べて求人数に限りがあるものの、専門性に特化していたり、きめ細やかなサービスをしてくれると言われます。
こうした中小の転職エージェントは、直接コンタクトをとらなくとも、リクナビNEXT、ビズリーチなどの大手転職サイト経由で連絡をくれます。「こういう案件があるので応募しませんか?」という具体的な提示とともに連絡してくることもあれば、「一度お話しませんか?」というふわっとしたものもありました。
どこにお宝求人が隠れているともしれません。私は、連絡してくるすべてのエージェントと、一度は必ずお話をすることにしました。
提示された報酬にときめく
初めて連絡をもらったのは、「ストラテジックパートナーズジャパン」という転職エージェントで、とあるベンチャー企業の編集の仕事を提示してきました。
早速、ストラテジックパートナーズジャパンのHPを見ると、「ヘッドハンティング・スカウト・サーチ型人材サービス」とあり、「特にエグゼクテイブ層、ハイポテンシャル層、特殊な「技」を持つ層の人財のヘッドハンテイング、スカウト・サーチ型のビジネス展開をしています」とあります。
エグゼクテイブ層! ハイポテンシャル層!? 気が遠くなりそうです。
それでも、私はメールを見た瞬間、速攻で面談を希望する旨の返信をしたためました。
なぜか。
簡単です。提示されている報酬がとてもよかったからです。
何が違うのかよくわからない二つのポジションが提示されていたのですが、一つは年収400万~800万円。もう一つはなんと700万~1200万円!
ウソ~、マジで~! もうこれ転職活動終わっちゃうんじゃない?
脳内では実に都合のよい妄想が膨らみます。メールをもらっただけなのに、この提示額マックスで働く自分を想像します。おめでたいヤツです。
そんなこんなで、メールをもらった2日後にエージェントとの電話面談とあいなりました。
電話をしてきたエージェントの男性は、声の感じから推測するに40~50代でしょうか。自信に満ちた声色で話しかけてきます。
生来の卑屈さが芽を出し、「こんなに自分に自信がありそうな人が紹介してくる求人は大丈夫だろうか。リア充の巣みたいな企業だったりして」と心細くなってきます。
しかし、リア充の巣に飛び込んでもお金はほしいもの。自分を奮い立たせます。
男性は実に奇遇だ、といった感じで切り出しました。
「実は私、○○県の△△市出身で。職務経歴書に書かれていたニュースもよく記憶しています」
○○県とは、私の初任地です。クソ、こうやってリア充は簡単に会話の糸口を見つけやがる(もはや言いがかり)。
“非リア”の皆さんならおわかりでしょうが、この「糸口」をどの程度まで引っ張っていいのかの判断が非常に難しいのです。別にこの話は今日の主題ではありませんから、どこかで切り上げないといけません。
しかし、非リアにはリア充のように、滑らかに話題を変えることができません。ついつい自分の知っていること、しゃべりたいことをしゃべりすぎて、会話のキャッチボールを会話のピッチングマシーンにしてしまうのです。
私も記者のはしくれだったわけですが、緊張するとしゃべりすぎて失敗してしまうタイプなので、探りながら返答します。相手の発話の倍しゃべっていないか。返答が見当違いになっていないか。何往復か、あたりさわりのない話をしていると、ごくごくしぜんなかたちで男性は本題に入ってくれました。