いまから20年前のきょう、1997年5月2日、イギリス首相にトニー・ブレアが就任した。ブレアが生まれたのは1953年で、エリザベス女王即位の翌年のこと。そのため、首相任命式では女王から「あなたは私の10人目の首相ですね。最初はウィンストン(・チャーチル)、あなたが生まれる前のことだった」と言われたという(小林章夫『女王、エリザベスの治世――先進国の王政記』角川oneテーマ21)。4日後に誕生日を控えていたとはいえ、43歳での首相就任は、イギリスでは1812年のリバプールに次ぐ若さだった。
18年ぶりとなる労働党政権において、ブレアは党綱領を変更、保守党のサッチャー政権の始めた民営化路線を採り入れながら、福祉国家路線との調和を図る「第三の道」を提唱した。2007年6月27日の退陣まで10年務め、労働党の首相としては最長を記録する。