いまから10年前のきょう、2007年5月18日、「日本国憲法の改正手続に関する法律」、いわゆる「国民投票法」が公布された。施行は3年後の2010年の同日である。
国民投票法の目的はその正式名称にあるとおり、一般的な国民投票ではなく、あくまで憲法改正に限定される。そこでは、投票権者は投票用紙に印刷された賛成・反対のいずれかの文字に○印を自筆すること、そして賛成が有効投票総数の2分の1を超えた場合、憲法改正が成立することなどが定められている。
日本国憲法第96条第1項では、憲法改正は衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成により発議され、国民投票で過半数の賛成を必要とすると規定されている。国民投票法の成立により、そのための具体的な手続きが整えられたことになる。なお、国民投票の投票権者は、同法成立時より満18歳以上の者と定められていたが、「国政選挙に参加する年齢が満18歳以上に改められるまでの間は満20歳以上の者とする」との附則がつけられていた。選挙権年齢は昨年、公職選挙法の改正にともない引き下げられたので、今後は本来の規定どおり、18歳以上が国民投票に参加できることになる。
思えば、国民投票法は、第1次安倍内閣のもとで公布された。安倍首相が、先日5月3日の憲法記念日に際し、憲法改正に向けてあらためて強い意志を示したことは記憶に新しい。首相はそのための布石を、最初の政権時より着実に打ってきたのである。