ぽっこりお腹やぽっちゃり下半身に悩む中高年の方、多いのではないでしょうか。かく言う五十路の私も、炭水化物を減らしたり、たまに走ってみたりと、それなりに努力しているつもりなのですが、一向にお腹がひっこみません。

「もうおじさんだから仕方ない」はただの言い訳だった!?

 年をとると基礎代謝が落ちて、太りやすくなると言います。「もうおじさんだから、太るのは仕方ないのかなぁ」と自分を慰めていたのですが、先日の取材で、意外な事実を知りました。

 島原病院(京都)の肥満・糖尿病センター長、吉田俊秀医師にお話をうかがったところ、「中高年の基礎代謝量はピーク時の10~20代に比べても、せいぜいごはん1杯分ぐらいしか落ちない」と言うのです。

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 えっ、たったそれだけしか、基礎代謝って落ちないの?  どうやら、中高年のぽっこりお腹やぽっちゃり下半身は、年のせいばかりにはできないようなのです。

「ホンマでっか!?」ということで、調べてみました。厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」に、「日本人の基礎代謝基準値」という表がありました。

 それによると、標準的な体格の人の場合、男性の基礎代謝量のピークは15~17歳で、1日1570キロカロリー。それが、30~49歳までは1520キロカロリーを維持しますが、50~69歳になると1370キロカロリーになります。

 また、女性の基礎代謝量のピークは12~14歳で、1日1350キロカロリー。それが徐々に落ちてきて、50~69歳になると1100キロカロリーになります。

基礎代謝量は10代に比べてもごはん1杯分しか落ちていなかった……

 つまり、50~60代になるとピーク時に比べ、基礎代謝量が男性では190キロカロリー、女性では250キロカロリー落ちることになるのです。男性で約12%、女性は約19%も落ちるわけですから、大きな変化のような気がします。

 ところが、ごはん1杯分のカロリーが、なんと普通盛り140gで235キロカロリーもあるのです(cookpad「料理の基本>計量のヒント>ご飯1杯のカロリー」より)。つまり、吉田医師の言うとおり、基礎代謝量は若い時と比べても、ごはん1杯分ぐらいしか落ちていないのです。

 ということは、中高年は1日にごはん1杯分ぐらいカロリーを減らさなければ、必然的に太ってしまうということになります。もちろん、基礎代謝量は体格や筋肉量によって変わってきますので、若い時と同じぐらい食べても、太らない人はいるでしょう。ですが、ぽっこり、ぽっちゃりのみなさんは、食べる量を減らせていますか?