医師がズバリ指摘する中年太りの本当の原因は…
基礎代謝量が減ったせいにできないとしたら、中高年はなぜ太ってしまうのか、吉田医師はこう言い切ります。
「要は食べ過ぎなんです。中高年になると経済的に余裕が出て、『食事ぐらいはぜいたくしたい』という人が増えるのではないでしょうか。それに、昔と比べてコンビニなどでスナック菓子やスイーツが簡単に手に入るようになりました。若い頃と同じように食べていたら、太ってしまうのは当たり前なんです」
ううう、耳が痛い話です。わが身を振り返ってみても、若い頃はお金がなくて、よくカップ麺1個と菓子パンで夕飯を済ませるような食生活を送っていました。それに、食べることよりも楽しいことや、夢中になれることが多かったような気がします。
ところが、おじさんになってから仕事が忙しいせいか、平日は昼食や晩酌ぐらいしか楽しみがありません。仕事のストレスを解消するため、夕食のおかずだけでは飽き足らず、お酒のつまみにもついつい手が伸びてしまいます。
ビール1杯でごはん1杯弱のカロリー、それを毎晩グビグビ……
食べ物だけでなく、ビール500ml1本でごはん1杯弱のカロリー(約200キロカロリー)とされていますから、アルコールで摂取するカロリーもバカにならないでしょう。これでは、やせないどころか、太るのは当たり前です。
やはり、中高年になって太ってしまった人は、基礎代謝量が落ちたからと言い訳せずに、食べ過ぎ、飲み過ぎを反省したほうがよさそうです。私も猛省。。。
ただ、「太っている」イコール「健康に悪い」というわけではありません。体重kg÷身長mの2乗で表されるBMI(=体格指数、標準は22)は、ちょい太の25ぐらいまでなら、死亡リスクはあまり高くならないからです。
BMIが30以上になると死亡リスクが2倍になりますが、そんな人は日本では20人に1人もいません。むしろ、やせ過ぎでも死亡リスクが上がるので、過度なダイエットは絶対にしないでください(国立がん研究センター社会と健康研究センター 予防研究グループ 多目的コホート研究「肥満指数と死亡率との関係について」)。
たった2~3kgの減量で健康に!
ただ、太り過ぎは高血圧や糖尿病などを招くことがあります。それに、肥満を放置していると、60代、70代になって、ひざや腰を悪くしてしまうことが多いのです。すると、余計に歩かなくなるので、高血圧や糖尿病が改善せず、ますます健康を害してしまうことになります。
ですから、太り過ぎを自覚している人や、血圧や血糖値が高めの人、ひざや腰に痛みがある人は早いうちに、体重を減らしておいたほうがいいのです。吉田医師によると、軽症の高血圧や初期の糖尿病であれば、なんと1ヵ月に体重のたった3%落とすだけで、数値がよくなることが多いとのこと。また、ダイエットすれば、ひざや腰にかかる負担が少なくなり、痛みが改善する人も少なくありません。
体重の3%とは、100kgの人であれば3kg、70kgであれば約2kgにあたります。1ヵ月に、まずはこれだけ減らせば、健康に一歩近づくのです。2~3kgの減量なら、なんとかなりそうな気がしますよね。では、具体的にどうすればいいのでしょう。次回、吉田医師おすすめの方法をお教えします。