「誰かと同じ」であることを、カスタムカーオーナーたちは全身全霊で拒絶する。そのコダワリの原点には、一体どんな秘密があるのか?

 今回は、Y33型のグロリアに乗る「こーちゃん」をご紹介。

グロリアのサイドビュー。ハードトップボディがイカつさを感じさせる

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「イベントでどう違いを見せるか」を試行錯誤

 子どもの頃から車が大好きで、中高生の頃はクラウンに憧れていました。いわゆる「いつかはクラウン」ですよね。

 免許を取ってからはローライダー系の車に乗っていたんですけど、職場の先輩たちがVIPカーに乗りはじめて、自分もそっちにシフトしたんです。当時はVIPの全盛期でしたから、自分もセルシオやプレジデントなんかの王道は一通り乗ってきましたよ。

VIP全盛期から高級車を改造しつづけ、現在もグロリアのカスタムに没頭している

 このグロリアは、5年くらい前に買ったものですね。VIPがまた少し流行りはじめるなかで、自分としては少し違いを出したかったといいますか。今では見かけなくなったグロリアを、徹底的に弄ってやろうと。

 ただこの型はタマも減っていますし、それ以上にパーツも減っているので、ここまで仕上げるのはだいぶ大変でしたよ。ほとんどワンオフでやっていますし、改造費だけで700万円は超えちゃっているかな。

今では見かけなくなった10代目グロリアにこだわりを詰め込んだ

 ただもう、弄るときはお金のことは考えないですね。一度やりたいと思ったら我慢できない性格なので、「これやろう」と思ったらすぐショップにお願いしちゃうんです。

ヘッドライト脇に浮かぶシャネルのロゴ。イベント専用車でしか実現できないカスタムだ

 ブランドのロゴは、ブランド物が好きなのもありますし、やっぱりヴィトンやシャネルは私たちの世代にとって成功の象徴なんですよね。それを愛車に入れることで、自分が成り上がった証をアピールしていきたいなと。

 こういうロゴもそうですけど、やっぱりイベントに出すなかで、「どうやって差別化するか」っていうのは常日頃から考えていますよ。VIPはイカつい仕様が多いので、好きなキャラクターのデザインを取り入れて、可愛い系の路線を狙ってみたり。

ボンネットには亡き友人が好きだった『おしゃれキャット』のマリー。夢の吹き出しの中には自身のグロリアと友人のバニングのイラストが

 ボンネットのマリーちゃんは、亡くなったバニング乗りの友人が好きで、彼の愛車にもイラストが入っていたんですよね。なので「いつも一緒にいるよ」という意味を込めて、私のグロリアにもマリーちゃんのイラストを入れて、追悼の意を表しているんです。

イベント入賞は車弄りのモチベーションにもなっている。自身の車を多くの人に見てほしいと語った

 この車はもう完全にイベント用ですが、そういう背景もあって、こういう晴れ舞台では存分に目立たせてあげたいんですよね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。