ギリギリを攻める彼らにとって、「普通の車」は退屈の代名詞だ。極限の車高で独自のスタイルを表現する、改造車オーナーたちのドラマに迫る!
今回は、トヨタ・アベンシスをDIYでカスタムする「車人あき」さんをご紹介。
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プライベートを犠牲にしても…
もともと父が車好きで、ガッツリ走りに振ったマークIIなんかに乗っていたこともあり、自分も高校生くらいの頃からスポーツ系の車に乗りたいと思うようになりました。
実際に、若い頃にはドリフトをやっていましたが、ずっと続けられるような趣味でもないですし、8年くらい前にドレスアップの方に転向したんですよね。「今度は父親がやってこなかったものをやってみよう」という好奇心もありました。
それで、最初は60系のヴォクシーを弄っていたんですけど、もともとの背が高いので、車高を落としても限界があるんですよね。そこでステーションワゴンを買おうと思い、「どうせなら誰も弄っていないような車にしよう」と選んだのがアベンシスでした。
それから色々自分でDIYをしながら仕上げ、SNSでも発信しているうち、色々な人とつながって、イベントの主催なんかもするようになって。今では企業さんのPR関係でこの車両を提供することもありますね。
この車はマイナーなうえにイギリス生産で、弄るのが大変な面もありますが、それでも中古のパーツを加工したり、企業さんに協力してもらったりで、かなり改造費は抑えられています。色んな人と関わりながら、ワイワイ弄っていくのも楽しいんですよね。
ただそういった活動が、プライベートに影響することもありました。以前は結婚していたのですが、土日に家庭の時間を持てなくなったり、イベントでモデルさんと関わる機会が多くなったり、そういうことが重なり離婚することになって。
あとは、もともとこの車は通勤にも使っていたのですが、今は会社で出入り禁止になっちゃっているんですよね。車そのものの問題というより、会社の従業員に私のSNSフォロワーが多かったり、上司も知っていたりで、ちょっとこの車で行くと面倒になりそうだと。
車としても便利ではないですし、とくにシザードアは雨の日に傘が引っかかったりで、もう完全にロマンでしかないです。ただ色々と犠牲にする面があっても、こうやって弄ることは止められないですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。