ギリギリを攻める彼らにとって、「普通の車」は退屈の代名詞だ。極限の車高で独自のスタイルを表現する、改造車オーナーたちのドラマに迫る! 

 今回は、初代エスティマを26年にわたってカスタムする清水さんをご紹介。

「最近はガルウイングの開閉も大変であまり乗りたくない」とも語る

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「車を5回乗り替えたと思えば…」

 もともと車にはあまり関心がなくて、免許を取って最初に買ったのは軽のムーヴでした。でも、当時の職場にマークIIのバンを弄っている先輩がいて、「自分でこんな風にできるのか」と興味が湧いたんですね。

 それで、そのままムーヴを弄ろうとも思ったんですが、その頃出たばかりのエスティマのスタイルに惚れ込んでしまって。お金を貯めて、新車で買ったのが26年前ですね。

新車購入から26年、手を加えられつづけた初代エスティマ

 それからずっと弄りつづけているので、カスタム費用はもう1000万は超えています。最初はちょこちょこ弄るくらいでしたが、「みんカラ(オーナーが愛車の写真などを投稿するサイト)」を知ってからは、「これもやってみよう」と感覚が狂っていきましたね。

 とくに額が大きかったのは塗装です。これまでに3回全塗装していて、1回で100万円ほどかけているので……。「どうせ塗るならボディの加工もやっとこう」と、一緒に仕様を変えるので、かなりの出費になるんですよね。

ミニバンならではの迫力と、エスティマならではの滑らかなシルエット

 周りからはよく「そんなにお金をかけるなら、新しい車を買えばいいのに」とも言われますけど、たとえば200万円の車を5回乗り替えればもう1000万円じゃないですか。5年ごとに乗り替えたと思えば、まぁ大した金額ではないのかなと。

荷室はまるまる豪華なオーディオシステムに

 ただ正直なところ、自分でもこんなに乗るとは思っていなかったんですけどね。ずっと「壊れたら乗り替えよう」と思ってはいたものの、とくに大きな故障もなく、降りるきっかけが見つからなかったのもあります。

 そうやって、以前は普段の足にも使っていましたが、最近はちょっとガルウイングの開閉も億劫になってきて……。少し前にハスラーを買ったので、エスティマはほとんどイベント用ですね。

珍しいモケット生地のステアリング。中央にはカスタムショップのロゴも

 エスティマも街であまり見かけなくなりましたけど、SNSやイベントでは結構、この型のオーナーとも関わる機会があるんですよ。今は関東だけで20人以上の集まりになっていて、そこでの交流が楽しみになっていますね。

 私のように新車から乗っている人も何人かいますし、部品取り用に2、3台所有している人もいて、もう上には上がいるという感じで。

初代エスティマに惚れ込み26年、膨大な愛と金額を注ぎ込んできた

 今はそういった場でしか乗ることもなくなりましたが、長い間色々な世界を見せてくれた車ですし、これからも動かなくなるまで維持していきたいですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。