豊洲以上に加熱すべきなのは、エアコン温度設定問題
速水 伊勢丹としては、夏にネクタイとジャケットが売れなくなって困ってるんだと思うんだよね。それで考えた苦肉の策みたいな。でも、ネクタイ屋とジャケット屋もクールビズの被害者勢力。ここは呉越同舟というか、一致団結してクールビズ倒しのために、今度の騒動をきっかけに連携して、反クールビズで自民党側に付けばいいよね。まずは議員全員にビーチスーツをプレゼントしてさ。
おぐら 半ズボンのスーツが似合う人なんて、ほとんどいないでしょう。
速水 麻生とかは似合うけど、石破とかは夏休みに虫取りに来た子どもにしか見えなそう。それは冗談として、エアコンの設定温度が28度じゃ暑くて仕事できないっていうのは、本当にそうなんだよ。そこに目を付けたのは、悪くない。日本中のオフィスで喝采の声が上がったと思うよ。
おぐら どの会社や事務所でも、エアコンの温度設定を巡る対立ってありますよね。それこそ男性と女性、太めと痩せている人とか、いろんな対立を生み出している。
速水 エアコンの温度設定で人は対立する。ってことは、十分に政治的なテーマってことだよね。ねじれまくってる豊洲の問題以上に、エアコンの設定温度問題を次の東京都議選の争点にすべきだよ。
おぐら 選挙ポスターに「エアコン28度に断固反対します!」って書くとか。僕は28度でも寒いと感じる寒がり派閥なので、速水さんとは対立しそうですね。
速水 そうか、28度絶対保持派か。じゃあ残念だなあ、今夏、絶対流行るビーチスーツは着られないけどいいの?
おぐら 別に着なくていいです……。
はやみずけんろう/1973年生まれ。ライター。TOKYO FM『速水健朗のクロノス・フライデー』(毎週金曜日朝6:00~9:00)、同局『TIME LINE』(第1・3・5火曜日19:00~19:54)、フジテレビ・ホウドウキョク『あしたのコンパス』、日本テレビ『シューイチ』などに出演中。近著に『東京β』(筑摩書房)、『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』(朝日新書)などがある。
おぐらりゅうじ/1980年生まれ。埼玉県出身。フリーの編集者として雑誌『テレビブロス』ほか、書籍や演劇・映画のパンフレット等を手がけている。企画監修を務めた、テレビ東京の番組『ゴッドタン』の放送10周年記念本『「ゴッドタン」完全読本』が発売中。