いまから15年前のきょう、2002年5月31日、日本と韓国の共催となった第17回サッカー・ワールドカップ(W杯)が、韓国・ソウルのW杯スタジアムで開幕した。午後7時半(日本時間同)からの開会式は、約6万4千人が観客席を埋め尽くし、韓国の金大中大統領、FIFA(国際サッカー連盟)のブラッター会長のほか、日本からは小泉純一郎首相、皇族では戦後初めて訪韓した高円宮夫妻らが貴賓席にそろうなか行なわれた。

 日本は1990年よりW杯の誘致活動を開始し、開催は確実との見方が当初は強かった。しかし、そこに韓国が名乗りを上げる。それは1993年、翌年のアメリカW杯に向けたアジア最終予選で、日本が敗退したタイミングだった。予選を突破した韓国では「一度もW杯に出場したことのない日本に開催の資格があるのか」との機運が高まる。その世論をバックに、財閥「現代」グループの創業家出身の鄭夢準(チョン・モンジュン)が韓国サッカー協会会長、さらにFIFA副会長に就任して、積極的な誘致活動を展開。FIFAではこれを受けて96年、当時のアヴェランジェ会長が日韓共催を提案し、理事会で決定した。韓国は翌97年に金融危機に直面し、一時は試合会場数の削減論も出たが、けっきょく国内の10会場すべてを新設して、ついに開幕を迎えた。

 開会式のあと、午後8時32分には同じくソウルのスタジアムで開幕戦が行なわれ、初出場のセネガルが、前回地元大会で優勝したフランスを1-0で破っている。アジアでの大会、2カ国共催もW杯史上初なら、開幕戦で初出場のチームが前回王者に勝ったのも初めてであった。翌6月1日には、日本でも新潟スタジアムでのアイルランド対カメルーン戦を皮切りに試合が開始。以後、30日の横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)での決勝戦まで、日韓両国の各地で熱戦が繰り広げられる。

2002日韓W杯、日本×ロシア スターティングメンバー ©JMPA