■カタール航空のキャンペーンが実施されるか?
今回の措置はカタール航空にとってはおそらく会社設立以来の最大の試煉となる。
下のリンク先でも示されているように、サウジアラビアとアラブ首長国連邦とドーハを結ぶ路線は,カタール航空にとって旅客輸送量1位と2位の区間であっただけに損失は大きく、調査会社のフロスト・アンド・サリバンによれば、カタール航空の利益減は30%におよぶという可能性もあるという。
Saudi and UAE are the largest source markets for Qatar Airways
https://centreforaviation.com/insights/analysis/qatar-airways-landing-and-airspace-restrictions-in-middle-east-damages-key-source-markets-348493
世の常として、航空会社はこうした窮地に陥ると、需要回復のために大型キャンペーンをうつ。もともとカタール航空は2015年、2016年と2年連続で10万マイルキャンペーンを実施しているうえ、トリプルマイルキャンペーンを頻発するなど、ボーナスマイルキャンペーンの大盤振る舞いで知られるエアラインだ。今回の断交は同社にとっては災難だと思うが、旅行者目線でみれば好機ともいえる。
■断交でメッカ巡礼はどうなる?
多くの日本人にとってみれば、たとえばカタールとエジプトの間のフライトが飛ばなくなっても、トルコ経由やアラブ首長国連邦経由などで代替することができる。しかし、かりにこの断交が長期化すると、2022年にドーハでの開催が予定されているFIFAワールドカップに断交したサウジアラビアをはじめとした国々から観戦に行くことは不可能になるから、当然のことながら集客に影響する。
ちなみにサウジアラビア国内にある聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)については、特例として、カタール国民の訪問を許可するとしている。国交断絶でも、これだけは妥協せざるをえないということだろうか。