自民党に離党届を提出し、「都民ファーストの会」の代表に就任した小池百合子都知事(64)。6月23日告示の東京都議会選挙に向けて、改めて自民党との対決姿勢を鮮明に打ち出した。その小池氏が、「私の政権公約」と題する手記を『文藝春秋』7月号で発表する。
手記では都議会が自民党によって長年にわたり多数を占められてきたために、改革が一向に進まなかった事情を明かしている。都民の都政への関心が低かったことに乗じて、「バスツアーなどのサービス合戦や新年会、忘年会をかけずり回ることに熱心な議員」が選ばれがちではなかったかと疑問を呈す。本来ならば国政にも影響を与えうる都議会が、果たすべき役割を見失っていたと批判した。
これまでになく都民が注目する今回の都議選こそが改革のラストチャンスだとし、「改革の競い合いこそ、都民ファーストの都政である」と決意のほどを綴っている。
具体的に都政をどのように変えるのか、待機児童対策や高齢者急増加への処置など、実行プランを述べる一方で、ちょうど25年前、小池氏が政治家としてのキャリアをスタートした日本新党時代についても触れている。
「思い返せば、当時の日本新党のポスターは、『政治家総とっかえ』だった。それも緑に白抜きで。四半世紀を経て、私はまた同じことをしている」
改革勢力を結集して、55年体制以降初めて非自民党政権を作り上げた細川護煕元首相に、自らの姿を重ね合わせているようだ。
さらに、2005年の郵政解散総選挙で東京10区に“刺客”として自ら立候補した経験にも言及。当時、小泉純一郎首相が選挙で掲げたキャッチフレーズである「改革を止めるな」こそが、今回の都議選でもキーワードになるとしている。
手記の全文は『文藝春秋』7月号(6月9日発売)に掲載される。