身長156センチメートル、腕周り36センチメートル。その腕は「世界で見ても、同階級ではたぶん1番か2番ぐらいの太さ」と自負するほどだ。そのパワフルな上腕から繰り出される技術と力で、2023年に世界アームレスリング選手権大会シニア女子55kg級で優勝した竹中絢音さん(26)。
小学4年生でアームレスリングを始めてから、中学3年生で全国大会優勝、そして2022年にはA2男子60kg級に挑んで優勝するなど、常に「世界を獲る」という目標に向かって突き進んできた彼女に、競技との出会いから世界王者になるまでの道のりを聞いた。
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「腕相撲が好きで。たぶん血筋だと思うんですけど、力も強いほうだった」
竹中さんがアームレスリングを始めたのは小学4年生のとき。当時、父親が競技を本格的に始めたが実践練習の相手がいなかったため、彼女が両手で練習相手を務めたのがきっかけだった。
「まだ家に競技台がなかったので、テーブルに座布団を敷いて、そこに腕を載せてやっていた覚えがありますね。お父さんが構えているのを、私が両手で倒しにいく感じでした」と竹中さん。
父親からは「やってても女の子だから仕方ないし、やめときな」と何度か言われたが、本人の負けん気の強さが競技を続ける原動力となった。「もともと私自身が保育園の頃から腕相撲が好きで。たぶん血筋だと思うんですけど、力も強いほうだったんです」と振り返る。
小学5年生で初めて出場した愛知県大会の女子無差別級で3位に入賞。相手の多くは30~40代で、当時の彼女にとって大きな自信となった。特に2位になった選手から、アームレスリングで重要な「硬い」という強さを学んだという。
「アームレスリングでは、強さの種類として『硬い』と表現することがあります。意味合いとしては『特定の関節の固定力がすごい』ことだと思うんですけど。そういう選手は自分の土俵での戦いがうまい方が多いです」
中学時代、彼女は陸上部に入部するという意外な選択をした。その理由は「トレーニングする時間が欲しくて」だったという。競技は砲丸投げを選び、顧問の先生には「トレーニングだけしに来ました」と宣言。すでに地元では「腕相撲の子」として知られていた彼女に対して、誰も文句を言わなかった。
現在、竹中さんは世界王者となったものの、「まだ全然なんだな」と感じているという。
「右腕の決勝の相手が、2017年に負かされた相手だったんです。それが2023年には一転して、わりと余裕を持って勝てちゃったんですよね。その時に『まだ全然伸びるんだ』というのを自分で感じて、『ここがゴールじゃないな』と」
次の目標は、60kg級での世界チャンピオン獲得。すでに60kg級の世界チャンピオンとの対戦経験もあり、「60kg級で世界のタイトルを獲るという目標の実現もそんなに遠くないと思っています」と力強く語った。
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