東京のスポーツ紙で異例の扱い
と思っていたら27日のヤフオクドーム、ソフトバンク10回戦で80日ぶりの打席に立ったのだ。岡本健との対決で5球勝負。結果は空振りの三振だった。負け試合&走者なしの出番だったから(ぐるぐる回転したりせず)落ち着いて見ていられた。
「見せ大谷」でしばらく引っ張って、世間も、もちろん自分も「大谷は試合に出られる状態なのかそうじゃないのか?」とワーワー大騒ぎするのを夢想していたが、あっさり打席を見てしまった。解説者諸氏の「速球に振り遅れている」という指摘は確かに当たっている。プロの生きた球を見るのは久しぶりだったろう。だけど、自分のスイングは出来ていた。空振り三振してなお、相手に恐怖感を残すスイングだ。
翌日(28日)の日刊スポーツ東京版は1面トップに代打三振の大谷を持ってきた。北海道版ならわかるが、東京では異例の扱いだ(前夜、山形で巨人が接戦を制している)。野球記録の上では「1三振」でしかないことが、世間の耳目を集める。きっと皆、野球に夢を見たいのだ。日刊スポーツは批判覚悟で「1三振」の見せた夢をトップニュースとして扱った。人々の見る夢がプロ野球だ。ファイターズはパッとしないが、僕は明るい気分だ。
追伸 そして大谷翔平は7月1日の2軍戦に先発すべく、チームを離脱したのだ。「無刀流」「1刀流」を経て、いきなり「2刀流」復活だ。ペースが速い。投げられる状態なのかそうじゃないのか。バント処理なんかで足をひねったりすると危険はないのか。まさにワーワー。
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