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鈴木杏樹と東出昌大に見る、“許されない不倫”の「生殖コスト」とは? 脳科学者・中野信子が分析

鈴木杏樹と東出昌大に見る、“許されない不倫”の「生殖コスト」とは? 脳科学者・中野信子が分析

source : 週刊文春デジタル

genre : エンタメ, 芸能

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東出は性的快楽や恋愛のスリルに溺れるフリーライダーだった

 しかし東出さんは「イクメン」としてあたかも対価を支払っていますよという顔をしながら、実際には家事育児を杏さんにまかせ、9歳年下の当時未成年だった唐田さんと不倫をしていたのでした。重い家事・育児コストを払っている女性たちにしてみれば、東出さんはいわば同志だと信じていたのに、裏では杏さんの努力やお子さんの思いを犠牲にして性的快楽や恋愛のスリルに溺れるフリーライダーだったわけです。

家事・育児コストをおしつけて不倫 ©iStock.com

 こんな行動が許されてしまっては信頼によって成立しているものが崩壊してしまいかねない、この人を許さないことが正義の行動だ、と多くの人の心に火がついてしまった。それで東出さんへの厳しいサンクションが巻き起こったのです。

夫と死別した杏樹の不倫は許される?

 では、杏樹さんの場合はどうでしょう。

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 杏樹さんも不倫をした時点でフリーライダーだとみなされて不思議はありません。しかし彼女の場合、2013年にご主人と死別されています。この時点で社会的にはつらく厳しい立場にいる。スタート地点がマイナスにある状態です。だから厳しいサンクションを避けられたのです。

 奧様が高次脳機能障害を患っていたとされる小室哲哉さんの不倫疑惑が、当初バッシングを受けづらかったのもこれと同じ理由でしょう。不倫をして得をしていても、それを相殺できるような悪条件がある場合はサンクションの対象になりづらいのです。むしろ人々は「恵まれない人が少しでも恩恵を得るのを許してあげた」といい気分になることもあります。