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何よりも野球を応援できる平和への感謝を

「ピースナイター」ではもう一つ続いている行事があります。それは、「とうろう流し」の灯篭に選手がメッセージを書くことです。8月6日の夕暮れ時から原爆ドーム前を流れる元安川に、8000個ものとうろうを流します。元々は戦没者の慰霊の想いを込めて始まったことのようですが、今は平和への祈りを書く方が多くなっているそうです。

 今年は、先発投手をつとめた大瀬良大地と、開幕から四番を譲らない鈴木誠也でした。カープでも特に人気のある若い選手が動くことで、さらに多くの人に「継承」することができるはずです。二人の書いたメッセージは以下の通りです。

 大瀬良大地は「平和の思いをボールにこめて」

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 鈴木誠也「未来へ届け平和のアーチ」

 とうろう流しボランティア・peace porter project代表であり、被爆体験伝承者でもある保田麻友さんは、ピースナイターについてこう語ります。

「ピースナイターは昨年に続き今年も『継承』がテーマで、10年目を迎えられたということを嬉しく思います。これからもカープや対戦チームのファンらと全員で平和を想う日が続けば良いなぁと思っています。毎年続けているボランティアで、選手の方の灯篭をお預かりして流せることも、大勢の方に知ってもらえるので大変良いです。選手の方にとっても8月6日は特別な想いを馳せる日っていう方も多いと思うので、そういう気持ちをどんどん発信してもらって、多くの人にこの日のことをより考えてもらえることを期待しています!」

 麻友さん同様、わたしも「ピースナイター」この1戦だけでもいいから、「勝利の喜び」よりも「敗北の悲しみ」よりも、「野球を応援できる平和への感謝」を一番に感じたいと思っています。カープはこの日偶然にも、優勝マジックナンバー36が点灯する可能性のある試合でした。もちろん勝ちたかったし、球団最速のマジックナンバー点灯の瞬間が見られたらという気持ちはありました。それでも、感謝の気持ちの方が強く感じられました。いえ、負けたからこそ、しみじみと考えることができたのかもしれません。ピースナイターは何年も負け続けていますが、それでいいのかもしれません。

 野球が行える平和な世界、野球を見ることができる自分の命、そして何でもない平和な暮らしに感謝して、今日も自分の大好きなチームを精一杯応援しましょう。一日でも一時間でも長く、核戦争のない世界が続きますように。そして、今戦争・テロが起こっている地域に一秒でも早く平和が訪れますように。

 戦争で亡くなられた皆様へのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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