夏休みのうきうきした気分を一瞬で沈めるのが大量の「宿題」。「宿題はさっさと済ませる」「最後の数日で片付ける」「やらない」と、取り組み方、進め方は様々ですが、大人になってからの仕事のスタイルとほぼ一致する、という説があります。そこで今回「夏休みの宿題」をテーマに文春オンラインの筆者にアンケートをとり、現在の仕事との類似や当時の思い出を伺いました。

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【アンケート項目】

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1.夏休みの宿題の終わらせ方と仕事の進め方が類似していますか? ○△×でお答えください。

2.夏休みの宿題の終わらせ方は、次の5パターンのうちどれに当てはまりますか?

 また、現在の仕事の進め方や行動パターンとの類似点、思い出に残っている夏休みの宿題・自由研究もお聞かせください。

(1)先行逃げ切り型(7月中にすべての宿題を終わらせる)
(2)コツコツ積み立て型(ペースを守ってムラなく計画的に終わらせる)
(3)まくり型(夏休みの最後になって大慌てで取り組む)
(4)不提出型
(5)その他(他人任せ、嫌いなものは後回しなど)

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回答者:山本一郎
親父とソ連入国したときに教えてもらった「東芝ココム事件」

1.文句なく「〇」です。

2.(5)その他(他人任せ、嫌いなものは後回しなど)

 やりたいことは誰が何と言おうと前倒しでやる! 世の中の物事は私にとって2つの種類しかない。興味のあることと、興味のないことです。興味のある分野の宿題は先生が出した瞬間に休み時間にすべて終わらせる勢いで終わらせるのが私です。大好きな数学Iや物理の問題集は夏休みが始まった瞬間に秒殺だ! 場合によっては勝手にエクストラ問題まで本屋で買ってきて解いて出す。

 一方、嫌いな古文や美術や音楽は提出しないで怒られたこともあります。つまらないんだよね古文。先生は優しくていい人だったんだけど、学問として全く興味が持てない。洛中洛外図屏風がどうとか関心ない。音楽の鑑賞文とか、普通にタイマーズのコンサートに行って「冒頭から『北朝鮮音頭』でノリました」という話を書いたら音楽教師に全否定されました。クラシックとか興味ねえよ。

 高校時代に親父の仕事の関係もあってソビエト連邦へ物理や化学の宿題を鞄に詰めて入国しようとしたら、スパイにでも間違えられたのかイミグレに半日止められたのも良い思い出です。高校の物理の教科書や半導体とか流体力学の教本などなどを没収されました。好きで読んでただけなんですがねえ。その後、親父から「少し前に東芝ココム事件というのがあってね」という説明をされましたが、先に言えよ。

 思い返すと、学生時代はあまり勉強では苦労しませんでした。得意な教科は飛び抜けて優秀で、駄目な教科は職員の間で問題になるぐらいできない中学高校時代を送ったんですけど、あんまり悔いはありません。

 いまの仕事も、やはり学生時代の宿題の進め方と同様に、興味があるかどうかと、集中力の出る「ゾーン」に入れるかどうかで決まります。やりたい分野でも気になるゲームが途中でポーズかかってたりするともう集中できない。なるだけメールもSNSも見ない時間帯にどれだけ集中して仕事がこなせるかが勝負です。

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