ベストセラー作家・東野圭吾が、新型コロナウイルスによる外出自粛が続く中、ある決断をした。自宅で過ごすことが多くなった若者たちに向けて、「たまには読書でも楽しんで」という気持ちをこめて、代表作7作品を、初の電子書籍化に踏み切ったのだ。
東野氏といえば、平成の「心に残った作家」ランキング(毎日新聞社)で、ダントツの1位に選ばれたほか、新刊はほぼすべてベストセラーに。また、『容疑者Xの献身』や『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など、映像化された作品は数知れず、という日本を代表するエンタメ作家である。
今回の電子書籍化について、東野氏はこうコメントしている。
「外に出たい若者たちよ、もうしばらくご辛抱を!
たまには読書でもいかがですか。新しい世界が開けるかもしれません。
保証はできませんが」
東野氏が“最初で最後かもしれない”電子書籍化を提案
プロジェクトの背景について、文藝春秋の担当編集者が語る。
「東野圭吾さんは、書店を守りたいという考えがとても強い作家で、これまで作品の電子書籍化について、全作品がNGという状況でした。
ですが、新型コロナウイルスの流行で外出自粛の要請が出され、書店で本を買うことも難しいという現状をみて、担当編集者に、『7作品限定で、最初で最後かもしれない、電子書籍化を考えてみませんか』と提案がありました。
友人とも会えず、自宅で過ごす日常が続き、うっぷんがたまっている若者たちに向けて、最高のエンタメ小説を楽しんでほしい、というのが今回のプロジェクトです」
今回の7作品は、『疾風ロンド』(実業之日本社)、『ダイイング・アイ』(光文社)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(KADOKAWA)、『白夜行』(集英社)、『プラチナデータ』(幻冬舎)、『容疑者Xの献身』(文藝春秋)、『流星の絆』(講談社)。
すべて映像化され、100万部を突破している7作品の累計部数は、1288万部を超え、まさにベストセラー大集結だ。
4月17日に予約が開始され、24日に発売となる。著者初となる公式ツイッター(@higashinokeigo_)と、公式インスタグラム (@higashinokeigo_official)も開設された。