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副社長たっての希望でまる美の入社が決定

 猫と過ごすオフィスライフの話題で盛り上がっていると、まる美さんがこちらを窺っていた。なんと、まる美さんには専用の個室があるのだ。ガラス越しにちょこんと座っている姿に、取材中も「かわいい……」と声がもれる。

個室から訪問客に「出してくれアピール」をする、まる美さん

「日中はオフィスを自由に往来していますが、お客さまにまる美をご紹介するときや、社員がいない夜間は自室で過ごしてもらっています。ただ、日中に自室に入ることはイレギュラーなので、『なぜ閉じ込めるの?』と鳴いて“出してくれアピール”をしています。最後に退社する社員には『まる美を部屋に入れる』という“タスク”があるのですが、大抵すんなり自室に入るものの気分じゃないときは大変で、タスク完了までに最長で1時間かかったこともあります(笑)」

 職場にガラス張りの個室があるなんてうらやましいかぎりだが、まる美さんはどこ吹く風。「部屋から出して」と言わんばかりだ。

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まる美さんの個室。おもちゃや餌場、給水器にトイレと、生活必需品が揃う

 そもそも、どのような経緯で彼女を迎えることになったのだろうか。きっかけは、まる美さんが生まれた4年前に遡る。

「働きやすい環境を作るためにオフィス設備に投資しようというタイミングでした。そんななか、副社長の足立が“猫を飼いたい”と言い出したそうです。ちょうど同じ時期に足立の実家で飼っていた愛猫が亡くなってしまい、さみしさも相まって『猫と一緒に働きたい』と考えて、社長や社員に直談判したそうです」

 “猫と一緒に働く”とは、なかなか革新的なアイディアに思えるが、反対の声はなかったのだろうか。

「当時の社員は4名ほどだったこともあり、それぞれが納得できればすぐに実行できる体制だったのかもしれません。ちなみに社長の鈴木は猫アレルギーなのですが、猫を飼うメリットに納得してOKしたそうです」

 そして足立さんは自ら飼うと決めた以上、すべての責任を負う覚悟だという。まる美の身になにかあったときのために、オフィスから徒歩5分以内の場所に自宅を構えている。平日はもちろん、土日のお世話も足立さんが担当している。

 足立さんのように、社員のひとりでも飼い主としての責任を負う気概があればオフィスで猫を飼う夢も叶いそうだ。

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