星野リゾートの新たな挑戦
全国各地へハイクラスな旅館やリゾートホテルを展開していることで有名な星野リゾートが、今後宿泊特化型への参入を進めていくという。星野佳路代表も「運営者目線からすると宿泊特化型はコモディティ化の渦に埋没する危険性がある」と指摘する。同社で市場調査したところ、宿泊特化型へはまだ3割程度は参入の余地があるという結果が出たとのこと。すでにこれだけのビジネスホテルがあるので驚きだが、確かに、星野リゾートブランドの宿泊特化型ホテルというだけで話題性や利用者の期待値も高いだろう。
小規模チェーンのトライアルにも注目
そのような中で、いま数店舗から10店舗程度という新興小規模チェーンが面白い。ビジネスホテルのコモディティ化という状況下、大規模チェーンにはできない小規模ならではの目線やトライアルには注目だ。7月28日に開業した「ホテル京阪 淀屋橋」では、客室のテレビ画面でランドリーやレストランの空き状況などがわかるシステムを導入し話題になっている。このエリアはハイクラス型ビジネスホテル激戦区であるだけに、他店との差別化も重要な課題だという。現在8店舗あるホテル京阪ブランドであるが、今後15店舗程度まで拡大していくという。
都内3店舗のほか、新大阪、鹿児島へ展開する「レム」は“眠りをデザインする”がコンセプトのホテル。ホテルだけに眠りへの特化は当然ともいえるが、ビジネスホテルにしてレムのクオリティは別格だ。全室マッサージチェアやレインシャワーなど快眠導入への仕掛けにも注目であるが、何よりベッドマットレス「シルキーレム」の評価が高い。日本ベッド製造株式会社と共同開発したオリジナルだ。共同開発のマットレスは高級ホテルなどで見かけるが、宿泊特化型ではアパホテルのクラウドフィットなど一部にみられる程度。同ブランドでは拙速な出店は控え、慎重な店舗展開をすすめているという。