いざ旅に出たいと思っても、航空券やホテルの予約に始まり、移動の道中、現地に着いた後も、何かと手間もお金もかかりがち。もっとスマートに、もっとお得に旅をしたい。そんなあなたにおくるのが、ホテル評論家・瀧澤信秋氏と、トラベルジャーナリスト・橋賀秀紀氏による、超マニアックな旅のノウハウ対談。「準備編」「出発編」「現地編」の3部構成でお届けする第1回は、いざ旅に出ようとおもったときの「準備編」。いきなりのディープな内容にのけぞること必至!
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瀧澤 今回は、マニアックに旅をしている僕たち2人にお役立ち知識を話してほしいということだったんですが、果たしてどこまで使える知識なのか……僕は基本的にホテルとその周辺のグルメにしか興味がないので、たとえば広島には百何十回と行っていますが、宮島には一回も行ったことがないみたいな(笑)。
橋賀 偏り方でいったら私も似たようなものです。私も東京から稚内までマイレージで旅をするのに、静岡空港発でわざわざ那覇に飛び、羽田を経由して稚内に向かうような人間ですから。そこから利尻→札幌→釧路→羽田→バンコク→羽田というルーティングにしたのですが、ひとまず那覇経由に関していえば、できるだけいろんなところに行けたほうがいいじゃないですか、沖縄もちょっと味わえるし(笑)。
瀧澤 那覇空港なんて、空港内だけで気分は“ハイサイ”になれますもんね(笑)。そんな特徴的な2人が、まず出発前、旅をすると決めたときに何をするかが、第1回のお題なんですが……。
橋賀 そもそも順序が違っていると思います。旅をすると決めたり、目的地を定めたりしてからチケットをとるのではないんです。まず最初のアドバイスとして、「(1)毎日チケットサイトを見よう」、そして「(2)煩悩を捨て去れ」とお伝えしたいですね。
瀧澤 いきなり激しいですね(笑)、その心は?
橋賀 格安航空券が比較できる「スカイスキャナー」というサイトがあるんですが、私は毎日ここをチェックしています。実は私この夏にタンザニアのキリマンジャロに行くんですが、ある日「スカイスキャナー」を見ていたら、往きが成田からキリマンジャロ、帰りはエチオペアのアディスアベバ発成田行きというチケットが5万9000円だったんですよ。キリマンジャロなんてまったく行く予定がありませんでしたが、その瞬間に行くと決めていました。今年の10月もペルーに行くんですが、それもソウル発のペルー行きが57190円と安かったから。
瀧澤 なるほど(笑)、チケットの値段優先で行き先を決める、と。
橋賀 “煩悩”を捨て去ればいいんですよ。たとえばお盆にハワイに行きたいとすると、今回調べてみたんですが、8月12日東京発で現地を19日発のJAL直行便は、21万4160円もかかるんですよ。それを1日だけ帰国日を早めて中国東方航空にすると、13万6728円。ここまで来たら、今度はハワイという煩悩を捨て去ればいい(笑)。行き先をバリに変えれば、日本からジャカルタまではJAL利用の航空券でも11万2824円でした。