スペインは医療崩壊を“起こしてしまった”
スペイン銀行のパブロ・エルナンデス・デコス総裁は「我が国はどの国よりも脆弱な状態にある」と悲観的で、経済的な打撃に備えるよう警鐘を鳴らした。この国を襲った2008年からの経済危機を超えるクライシスが、再び、そして必ずやってくる——。コロナは終息し始めたが、スペイン国民はそれ以上の恐怖に怯えている。
失業率が50%を超えれば、社会に何が起きるのか、彼らは経験上、よく知っている。今回のパンデミックで、なぜスペインが大量の犠牲者を出してしまったのか、彼ら自身がその真実を知っている。欧州でもっとも厳格な外出禁止令を続ける理由が、実はスペイン政府にはどうしてもある。
「医療崩壊」は必然的に起きたのではなく、“起こしてしまった”からなのだ……。
私はある時点から、日本では、スペインのような医療崩壊が起きることはない、と思うようになった。日本がこちらのような厳格な外出制限をする必要もない、と。なぜなら、医療崩壊とは、あることをきっかけに始まるものだから……。
◆
ではなぜ、スペインでは医療崩壊が起きてしまったのか?
その実態を赤裸々に描いた宮下洋一氏のルポ「スペイン死者2万人『涙すら出ない』」は「文藝春秋」6月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。@gekkan_bunshun のフォローをお願いします。

