未知のウイルスに対してどう立ち向かうか?
「例えば、アフリカで流行っているマラリアには、クロロキンという特効薬があるのですが、耐性菌が生まれてほとんど効かなくなってしまいました。地球温暖化が進行すれば、沖縄や九州地方がこのマラリアの蔓延地域となる可能性もあります。現地の人間はマラリアに既に感染したことがあったりして抵抗力があるけれど、日本では多くの人が全く抗体を持っていないので危険です。(略)『日本は今マラリアが流行っていないから、マラリアの研究はやらなくていい』という考えをしていてはダメなんです。
我々は、一見役に立たなさそうな物質でも、決して捨てずに保管するという方針をずっと取ってきました。それは、未知のウイルスや細菌に対して、思わぬかたちで役立つこともあると考えているからです」
果たして“ノーベル賞の薬”が、救世主になる日は来るのだろうか――。6月初め、イベルメクチンが新型コロナに有効であるとした、一部の論文は取り下げられたが、北里大学は今夏以降、医師主導の治験を開始する予定に変更はないという。
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他にも大村氏が、イベルメクチン開発の経緯、北里研究所を創設した北里柴三郎の功績などを語ったインタビュー「ノーベル賞の薬が救世主になる日」全文は、「文藝春秋」7月号及び「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
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ノーベル賞の薬が救世主になる日