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“モノノフ”石川柊太 応援する気持ちを知っているからファンの想いを受け取れる

文春野球コラム ペナントレース2020

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応援する立場も身をもって感じている石川投手だからこそ

 ようやく球場には少しずつお客さんが入るようになり、観客がいる試合を出来るようになってきたが、ファンの事を第一に考えている石川投手にとって今シーズンの無観客試合というのはどういう感覚だったのか。

「全く雰囲気が違います。例えて言うならば、誰もいない披露宴会場でスピーチするのと、300人を超える人がいる中でスピーチするのは全然違いますよね。そんな感じです」

 石川投手らしい独特の例えで教えてくれた。

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「ただ、その緊張感が自分の力を発揮するのにはすごくプラスに働くので、無観客は力を発揮するのが大変です」

“応援してくれている人の為に”という想いで投げている石川投手にとって、静まり返った球場でのプレイは苦労した事だろう。そこでどうにかモチベーションを上げる為に試合前と試合中に飲んだのが「レッドブル」だ。

――なんでレッドブルだったの?

「そこにレッドブルがあったからです」

 いやっ、山みたいに!!

 やりとりは文字だけなので想像だけど、ニヤッと笑いながら小ジョークをかましてくれたに違いない。

 また、石川投手といえばモノノフ(ももいろクローバーZのファン)としても有名だ。

 ファンがどんな想いで応援するのか、どんな想いで差し入れを用意するのか、どんな想いで手紙を書いているのか――。

 応援されるだけでなく、応援する立場も身をもって感じている石川投手だからこそ、自身のファンから差し入れなどを受け取るときには、一緒に『想い』も受け取る事が出来るのである。

 じつは、今までファンの方々から頂いた手紙全てを捨てずに大切に保管しているそうだ。ここまでファンの気持ちに寄り添えるプロ野球選手はそうそういない。

――そんな石川投手にとって、ももクロとは??

「尊敬出来る存在です! どんなに人気が出ても昔から変わらない所が特に!」

 路上ライブから活動を始めたももクロは、今ではドームでライブをする程大人気となった。そんな彼女達は調子に乗る事もなく、変わらずファンにパワーを与え続けている。

 石川投手も同じだ。育成選手から這い上がり、今ではドームの真ん中でファンの皆さんにパワーを与える立場となった。

モノノフ石川投手(本人提供)

 今年の石川投手の登場曲は石川投手の為に作られ、ももクロの佐々木彩夏さんが歌っている曲「仕事しろ」。今年はこの曲が何度もドームに響き渡り、沢山の仕事をしてくれるに違いないだろう。彼は“応援してくれる人の為”に、またマウンドに立つ。

 そんな男に我々が声援を送らない訳がない。

 皆さんも、石川投手が製作に携わったこだわりのグッズ、ペンライトを振って共に応援しましょう。

◆ ◆ ◆

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