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2017/09/01

脅威論に対置した毎日新聞の記事

 次々に日本各地でヒアリが見つかった。こんな商品も売れ始める。

「殺虫剤、商機アリ 増産・売り場特設 でも乱用は逆効果」(毎日新聞大阪 2017年8月16日)

 こんなときも「殺虫剤、商機アリ 」とダジャレで見出しをつけてしまうオヤジジャーナルの宿命も確認できる。

首相官邸で行われた「ヒアリ対策関係閣僚会議」(7月20日、左は山本公一環境相=当時) ©時事通信社

 ヒアリの脅威が報道されているなか「?」という記事が出た。

「ヒアリ『米100人死亡』否定 環境相、根拠確認できず」(毎日新聞 7月18日)

 先ほど紹介した環境省の「米国では年間に100名以上もの死者が出ています。」とのパンフの記述について「多すぎるのでは」との指摘が寄せられたので、調査したら根拠となるデータを確認できなかったという。

《そのため、パンフレットの使用をやめ、サイトからも関連部分の削除を進めた。》

《山本環境相は、04年以降にヒアリが定着した台湾で、死亡例が確認されていないことも説明した。》

 記事の最後は、

《琉球大の辻和希教授(昆虫生態学)は「都市化が進んだ地域では刺されてもすぐ病院に駆け込める。正しい知識と医療体制があれば救命できる可能性が高く、過剰に怖がる必要はない」と指摘する。》

 あれ……ヒアリ、聞いてたのと違う……。ちょっと拍子抜け。

ヒアリ ©時事通信社

《ヒアリの確認例は24日現在、兵庫、東京、大阪など9都府県で計2000匹以上に上っている》(読売新聞 8月25日)。

「怖い」から「いかにして対処するか」にムードが変化

「ヒアリ 世界ピリピリ 日本でも次々発見」(朝日新聞 8月23日)では「まずは港湾での徹底した水際対策に尽きる」「ヒアリの供給元となっている中国などの国々と、国境を越えて駆除の技術協力などを進める必要もある」と記事は締められていた。

 最初の報道から2カ月。「ヒアリ怖い」の大騒ぎから、いかにして対処するかという冷静モードになってきた。

 そう言えば95年には毒グモの「セアカゴケグモ」騒動があったけど、あれから今でも地味に確認されている。

 もしかしてヒアリもそのオチ?

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