先日、紙面を見て目を疑った。

「埼玉の倉庫に死骸 女王ヒアリ確認」(日刊スポーツ 8月18日)

 という記事を見つけたからだ。

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日刊スポーツ 8月18日

 私が驚いたのは、内陸県として初めてヒアリが見つかったという事実ではない。この記事のサイズである。いわゆるベタ記事でふつうに見逃すような小ささだったのだ。

我々はヒアリに「慣れてしまった」のか

 ヒアリ上陸報道から2カ月。ここまで我々はヒアリに「慣れてしまった」のか。いや、そもそもヒアリ報道はこの程度でちょうどいいのか? まず初上陸時の報道を振り返ってみよう。

「殺人毒アリ上陸」

 と一面できたのは「日刊ゲンダイ」(6月15日)。

「ヒアリ 毒あり ひやり」は朝日新聞(6月14日)。

《ヒアリは赤茶色で体長2.5~6ミリ。人が刺されるとやけどのような激痛が走る。毒針で何度も刺すほど攻撃性が高く、アナフィラキシーショックによる死亡例もあるという。》(朝日)

「ヒアリ ひやり」のダジャレもオヤジジャーナルにマッチして“ヒアリ旋風”はこの日から始まった。

朝日新聞 6月14日朝刊 「言ってやった感」あるオヤジジャーナル節の見出し

 私が出演するラジオ番組のコーナーでも環境省に電話して聞いてみると、

「現在132種類いる特定外来生物で、もっとも日本に入ってこられるのがイヤだった」

「刺されると火傷のような激しい痛みが生じるから『火蟻』と書きます」

「今回発見されたコンテナの中にギョッとするぐらいたくさんいました」

「中国との貿易量が増えている現在、いつかこうなるのではと危惧していた」

 というパンチのあるコメントが次々に。

 環境省では2009年、ヒアリ被害の防止のため「ストップ・ザ・ヒアリ」というパンフレットを作製しているので、くわしくは公式サイトのPDFファイルで見てほしいとのこと。

ストップ・ザ・ヒアリ パンフレット表紙より

 さっそく見てみると映画「ゴーストバスターズ」のように、ヒアリに車両通行止めのマークの派手な表紙。「危険な外来昆虫『ヒアリ』による被害を防ぐために」というコピー。

《米国では年間に100名以上もの死者が出ています。》

 という説明も。ヒアリ、恐るべし。