2020年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。男性芸能人部門の第5位は、こちら!(初公開日 2020年6月28日)。
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「雑草が背丈まで生い茂り、庭木は荒れ果てて、道路から建物の外観はほとんど見えません。以前は散歩する楳図さんとすれ違いましたが、最近は見掛けない。コロナのこともあって心配しています」(近所の女性住人)
東京でも有数の人気を誇る住宅街・吉祥寺の閑静な一角に建つ、三角屋根の赤と白のボーダー柄の洋風建築。所有者はギャグ漫画「まことちゃん」、ホラーSF漫画「漂流教室」などの代表作で知られる漫画家、楳図かずお氏(83)だ。
13年前の“まことちゃんハウス”騒動
楳図氏といえば、その作品が漫画界に止まらない幅広いクリエーターに影響を与えるなど、業界の“レジェンド”とされる一人。赤白のボーダー柄のTシャツがトレードマークの楳図氏のユニークなキャラクターは、テレビのバラエティ番組でも人気だった。
そんな楳図氏がニュースやワイドショーで大きな注目を浴びたのが、この自宅の建築を巡る騒動だった。建築当時に取材したスポーツ紙デスクが振り返る。
「吉祥寺の自宅、通称 “まことちゃんハウス”が話題になったのは13年前の2007年7月のこと。当時建築中だった赤と白のボーダー柄を外壁に施した自宅に対して、近隣住人から『周囲の景観を無視した奇っ怪な建物』『色彩の暴力』などとして、建築工事差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたのです。この騒動は連日大きく報じられて、いつしか観光地化し、まことちゃんハウス前で記念撮影する人が絶えなかった」
この建築工事差し止めの仮処分申し立てについて、東京地裁は近隣住民の訴えを却下。さらに楳図さんは、近隣住民から赤白のボーダー柄の外壁撤去を求めた民事訴訟を起こされ、これにも09年1月に勝訴している。
赤白のボーダー柄について、法廷で「赤は元気で生きてる印、白は無垢で何にもないという余白。ストライプはまとまって見せて、エネルギーを感じさせてくれる」と語っていた楳図氏。2年を要した裁判後には、「近隣住人との関係は、時間が解決してくれると思う」とも打ち明けていた。