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「気をつけろ」「スカートを短くするな」ではなく…痴漢に遭った中学生の私に、大人がかけるべきだった言葉

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性暴力は、加害者がいるから起こるのだ

 今ならわかる。痴漢は性暴力で、性暴力は加害者がいるから起こるのだと。私がどんな見た目や態度であろうと、私に落ち度はない、と。だからこそ、もしそのことを痴漢被害にあう前に誰かが教えてくれていたら、と思うのだ。

 しかし世間を見渡してみれば、いまだ大人たちも痴漢が犯罪だという認識を十分に持つことができずにいる。過去の“軽い”性犯罪の告発が、堂々とバラエティに流れる。自衛ばかりを推奨する痴漢ポスターもなくならない。被害の告発を行えば、冤罪の心配ばかりが取りざたされる。

 そんな社会で、若い子どもたちが(もちろん世代問わず被害者にはなりうるのだが)どうやって安心して毎日電車に乗ることができるというのだろう。被害にあったとき、自分を責めずに適切な対応ができるというのだろう。

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 これからを生きる若い子どもたちにどんな社会を手渡したいかと考えるとき、それは自分が経験してきたのとは違った社会だ。誰の被害も軽視されず、自己責任で片付けられず、犯罪が犯罪として認識される社会。そして誰もが被害者にもならず、加害者にもならない社会を手渡したいと思う。

 そのために、今の大人たち自身がどう変わることができるのだろう。いまだになくならない、痴漢をはじめとした性暴力の軽視は、この時代までで終わりにしたいと強く思う。

(漫画:keika、編集後記:伊藤まり

 パレットークでは、「こうあるべき」を、超えてゆく。をテーマに、LGBTQ+、フェミニズム、多様性について、漫画やインタビューを通して発信している。

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