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フランス人写真家・ドゥパルドンが見た1964〜2016年の東京の変化

2017/09/09
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短い時間で捉えた東京が、正しい東京だったりすることもある

 東京では同時期に写真展と映画公開が相次いだ。写真と映画、どちらも手がける人はなかなかいない。かなり難しいことなのではないか。

「たしかに、写真と映画はまったく異なる表現です。映画には音があり動きがあり、時間的な長さがある。そして、たいていストーリーもある。これらは写真にはないものです。写真はよりパーソナルで、印象主義的でしょう。写真が生まれる瞬間、つまりシャッターが切られる時間は、何十分の一秒だったりします。でも、そのほんの短い時間で捉えた東京が、正しい東京だったりすることもある。

 映画と写真、どちらも魅力があり、私は双方を絶えず行き来してきました。写真の展示と映画の公開を同時に迎えるのは、私にとってはごく自然なことですよ」

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ドゥパルドン夫妻 ©伊澤絵里奈

 レイモン・ドゥパルドンによる写真と映像の探究を、一挙に概観できるチャンスである。彼の表現はいつも軽やかだけど、見終えたあとにずしりとしたものが胸に残るのは、さすが半世紀に及ぶ活動の重みだろうか。

ドルパルドンが使用するライカのカメラ ©伊澤絵里奈
フランス人写真家・ドゥパルドンが見た1964〜2016年の東京の変化

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