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短い時間で捉えた東京が、正しい東京だったりすることもある
東京では同時期に写真展と映画公開が相次いだ。写真と映画、どちらも手がける人はなかなかいない。かなり難しいことなのではないか。
「たしかに、写真と映画はまったく異なる表現です。映画には音があり動きがあり、時間的な長さがある。そして、たいていストーリーもある。これらは写真にはないものです。写真はよりパーソナルで、印象主義的でしょう。写真が生まれる瞬間、つまりシャッターが切られる時間は、何十分の一秒だったりします。でも、そのほんの短い時間で捉えた東京が、正しい東京だったりすることもある。
映画と写真、どちらも魅力があり、私は双方を絶えず行き来してきました。写真の展示と映画の公開を同時に迎えるのは、私にとってはごく自然なことですよ」
レイモン・ドゥパルドンによる写真と映像の探究を、一挙に概観できるチャンスである。彼の表現はいつも軽やかだけど、見終えたあとにずしりとしたものが胸に残るのは、さすが半世紀に及ぶ活動の重みだろうか。