保護者の間でも有名だった愛娘への溺愛ぶり
数年前までは松戸市内でタクシー運転手をしていて、家賃4万円のアパートに住んでいた佐藤容疑者が、念願の2階建てマイホームを中古で購入し、我孫子市内に引っ越してきたのはおよそ2年前。築48年の我が家で、家族3人仲睦まじく生活する様子を近隣住民は見ていた。
「ご主人はガタイがよく、短髪のコワモテ。奥さんは若いアジア系の綺麗な外国人です。奥さんはあまり社交的ではなく、ご近所づきあいや地域の行事、子供のことはほとんどご主人がやっていました」(近隣住民)
54歳の佐藤容疑者の愛娘への溺愛ぶりは、同級生の保護者の間でも有名だったという。
「常に娘さんにベッタリで、よく庭先でボール遊びをしたり、武道やスイミングなどの習い事の送り迎えもご主人がやっていました。学校行事にもよく参加して、運動会前の除草作業やコロナ渦での消毒作業などにも積極的でした。ただ、わが子可愛さゆえか、周りへの“当たり”が強く、軽くモメたり、辛辣な言葉を吐くことがよくあった。小学校2年生の時に転校してきた娘さんが、学校に馴染めていないのではと、心配しているようでした」(同級生の母)
教育委員会は「今後は児童の心のケアにつとめる」
一方、被害にあった男児は「少しワンパクなところもありますが、明るい素直な子」(同前)だという。
「お母さんも良識のある普通のご家庭です。口で言えばわかる子ですし、まずは親同士で話せばよかった。2人とも、家は近所同士ですし、もともと仲もよかったと思います。が、学校からは説明会なども受けてないので詳しくはわかりません」(同前)
女児と男児が通う小学校は取材拒否。代わりに我孫子市教育委員会の担当者が取材に応じた。
「今も在校している生徒のことなので詳細は控えますが、男児と女児はクラスが別で、これまで大きなトラブルやいじめなどはなかったと聞いています。2人とも既に学校に登校しており、19日は本人同士を呼び、話し合いをしています。今後は児童の心のケアにつとめていきます」
佐藤容疑者は22日現在も警察に留置されているが、容疑は認めているという。主のいない佐藤容疑者の自宅には、カラフルなイルミネーションが点滅し、ハロウィンのジャック・オー・ランタンなどのデコレーションと共に、大きなサンドバックが吊り下げられていた。
行き過ぎた「指導」では済まされない今回の事件。佐藤容疑者はいま何を思うのか。