「お昼過ぎに、男がワーワーと叫ぶ声が聞こえました。もともと年寄りが多い静かな街だから、一体何が起きたんだとみんな怯えていました。ヤクザみたいな怖い声で、男が大声で叫んでいたのですが、まさか怒鳴っている相手が小学生だったなんて……」(近隣住民)
千葉県と茨城県の県境、利根川沿いにある千葉県我孫子市の閑静な住宅街で、下校中の小学校4年生の男子児童の顔を殴打し、土下座させたとして、10月17日、傷害と強要の疑いで、自称会社員の佐藤正容疑者(54)が千葉県警我孫子署に逮捕された。佐藤容疑者には男児と同じ小学校に通う同級生の一人娘がいる。
振り回していた傘が娘の顔に当たって……
事件が起きたのは、10月15日13時頃のことだ。
「男児と娘は、同級生数名と一緒に下校していたのですが、男児が振り回していた傘が運悪く娘の顔に当たってしまったのです(男児は故意ではなかったと後に警察の取り調べで説明)。帰宅した娘が泣きながら父親に『叩かれた』と報告すると、父親は激高し、娘と共に家を飛び出した。父親はまだ帰宅途中だった男児に追い付き、呼び止めるといきなり『娘に謝れ!』と凄んだのです」(警察関係者)
「ヤクザみたいな怖い声」で叫ぶ大人が突然現れたことで、男児は恐怖で固まってしまった。怯える男児に対して、佐藤容疑者はさらに激高。拳や平手で男児の顔を約10回殴打しただけでなく、さらに腹部に蹴りまでいれた後、男児に「正座しろ」「謝れ」と迫った。男児は地べたに正座をし、深々と頭をさげ“土下座”を強要されたのだった。
「頭部打撲」伝えられず、ネットでまさかの“賞賛”の声
「佐藤容疑者からなんとか解放され、自宅へ帰った男児は憔悴しきっていた。顔は腫れあがり、変わり果てた息子の顔面を見た母親は、すぐに男児を連れて病院へ。医者は『頭部打撲』と診断。母親は我孫子署に被害届を提出しました。我孫子署も男児の怪我の程度から判断して、佐藤容疑者の逮捕に踏み切った」(同前)
この事件の第一報が報じられた際には、男児が「頭部打撲」と診断されるほどに激しく執拗な暴力を受けたことまでは伝えられていなかった。そのため、ネットではまさかの“賞賛”の声が上がったのだった。
「事件の第一報が報じられた後、ネットの掲示板では佐藤容疑者の行動を讃えるような声が上がりました。被害者側が『男児に過保護すぎる』とか、警察に対して『逮捕までするなんてひどい』といった声も多かった。しかし、男児が受けた怪我の程度を考えれば、被害届も逮捕も当然です。さらに、佐藤容疑者はこれまでにも何度か警察沙汰のトラブルを起こしていたこともわかりました」(社会部記者)