アウティングとは、誰かのセクシュアリティを勝手に第三者に伝えること。
「性は多様性である」ということは、ここ数年の日本でもかなり浸透してきたように感じます。しかし、まだまだ偏見や差別は多く残っているのも事実。そんな中で、勝手にセクシュアリティを暴露されてしまうことは、当事者を深く傷つけ、ときには死に追いやってしまうこともあります。
それが、たとえ善意によるものだったとしても…。
今回は、信頼していた親友にゲイであることをカミングアウトしたら、翌日学校のみんなに伝えられてしまったとある男性のエピソードを漫画でご紹介します。
【漫画で読む】親友に自分のセクシュアリティを暴露された話
アウティングは誰かの命を奪う可能性のある行為
LGBTQ+当事者にとって「カミングアウトをしない」ということは、日常的に、そして頻繁に自分を偽らなければいけないことを意味します。そして異性愛やシスジェンダーが“当然”の世界では、自分のセクシュアリティは“ないこと”にされてしまいがち。
自分にとって大切で親しい人であればあるほど、「自分を理解してもらいたい」「嘘を付きたくない」と思うのは自然なことだと思います。
一方、カミングアウトとは当事者にとって、とても勇気を必要とするものでもあります。
「もし相手が偏見を持っていたら」
「もし拒絶されてしまっていたら」
実際に、カミングアウトをしたことで関係性が壊れてしまうケースや、嫌がらせによって職場を辞めざるをえないケースも多くあります。
信頼のできる親しい人だけにカミングアウトしたとしても、それがもし職場や学校で噂になってしまったら…。過去には、「アウティングをされ、イジメや嫌がらせがおき、自ら命を断ってしまった」という痛ましい出来事もおきています。
アウティングは、文字通り【誰かの命を奪う可能性のある行為】。しかし、まだまだアウティングの危険性や暴力性は十分に知られているとは言えない現状があります。
だからこそ、この漫画の親友のように「よかれと思って」アウティングをしてしまうというケースもあるのかもしれません。