ついに半沢が頭取に! 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、三菱UFJ銀行の頭取に取締役常務執行役員の半沢淳一氏(55)が昇格する人事を固めた。「週刊文春」では、半沢氏の頭取就任の可能性を今年9月にいち早く報じていた。来年4月に頭取に就任する見通しの「リアル半沢氏」はどんな人物なのか。10月1日号の記事を公開する。

◆◆◆

 今年大ヒットしたドラマ「半沢直樹」(TBS系)。最終回前の放送では半沢直樹(堺雅人)が大和田常務(香川照之)らに「千倍返しだ!」と啖呵を切る一方、退職願を出す予告シーンも流れたが……。

ADVERTISEMENT

「当行では『大和田常務』ならぬ『半沢常務』が頭取候補の本命なんです。来年4月には『半沢頭取』が誕生しているかもしれない」

 そう語るのは、三菱UFJ銀行の中堅行員だ。

©文藝春秋

 三菱UFJ銀行の「半沢常務」とは、半沢淳一取締役常務(55)のこと。

「半沢氏は、東大経済学部卒業後の1988年に三菱銀行(当時)に入行しました」(同前)

 王子支店を振り出しにバンカー人生を歩み始めた半沢氏。以降は主に企画畑を歩み、経営の根幹に関わる新規プロジェクトの立ち上げなどに携わってきた。

「三菱UFJは『東大卒・企画部門出身』が出世コースの保守本流。半沢氏も早くから頭取候補と見なされてきました。ただ、半沢直樹のような上司に楯突くタイプではなく、常に物腰柔らかな人物だと専らの評判です」(銀行アナリスト)

 同期では一番の出世頭。2014年に49歳の若さで執行役員に上り詰め、19年4月にはCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)に就任した。

「コンプライアンス統括部と、マネーロンダリングなどの対策をするグローバル金融犯罪対策部担当のCCOです。ドラマの半沢直樹は証券会社に出向中の第一部で、黒崎検査官(片岡愛之助)にデータ隠蔽を図る場面がありますが、コンプライアンス的にはアウトでしょう(笑)」(若手行員)

堺雅人もビックリ?

 三菱UFJの頭取は現在、三毛兼承氏。17年6月に当時の小山田隆頭取が体調不良で退任し、三毛氏が緊急登板したが、「頭取は四年で代わるのが慣例」(同前)。21年4月での交代が確実視されている。

「今年4月に就任した三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の亀澤宏規社長は86年入行で、79年入行の三毛頭取より7年も後輩。FG社長の方が銀行頭取より年次が上というのが基本なので、亀澤氏より若い取締役で88年入行の半沢氏が本命視されています」(前出・アナリスト)