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「不動産は揺さぶれば揺さぶるほど、ぽろぽろお金がこぼれてくる」

 私自身、長く不動産の世界に身を置いてきたが、つくづく思うところがある。

「不動産は揺さぶれば揺さぶるほど、ぽろぽろお金がこぼれてくる」という事実だ。つまり、不動産を投資と考えるならば、当然儲からなければならない。そのためには相場を見据え、タイミングにあわせて迅速に決断し、売買しなければならない。売買をすれば投資家であれば売却益、不動産売買仲介業であれば仲介手数料を得ることができる。

 また賃貸物件でもこれを取り扱う仲介業者にとっては、アパートや賃貸マンションの出入りが多いほど、仲介料やコンサルフィー、部屋の原状回復工事費などの収入を得ることになる。

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 つまり不動産はじっとしていても儲からないが、思い切り揺さぶる(売買する、賃貸借人が入れ替わる)と、お金が落ちてくるのである。

これが「上がるマンション、下がるマンション」を見分ける法則だ

 実はこの不動産屋の「儲けの論理」が冒頭の「上がるマンション、下がるマンション」の問いに対する回答だ。

 皆さんが知りたい不動産価格の上がる家や地域の構成要素はたった2つだけなのだ。

1.国内外の投資マネーが流出入を繰り返す地域の不動産

 この地域では投資マネーがふんだんに流れ込んでくるので、旺盛な買い需要と、その買手に対して売って儲けようとする売手が交錯して不動産は激しく揺さぶられるのだ。つまりこのゲームに打ち勝てば当然儲かるのだ。ただし、投資マネーは「移り気」だ。最近の不動産は証券化も手伝って激しく価格変動するようになっている。気が付いた時には投資マネーが一気に去って価格が暴落することもあるだろう。そんな時でも、またいつかやってくる投資マネーを待つくらいの余裕がなければ、こんなに恐ろしいリングには真面目に登場などしないほうが良いだろう。所詮素人はプロには勝てないのだから。

2.新陳代謝のある地域の不動産

 地域に流入してくる人(転入者)と流出する人(転出者)が多い地域は、基本的に不動産がよく揺さぶられていることになる。転出者は不動産を売る、あるいは賃貸借契約を解約する。転入者は不動産を買うまたは新たに賃借して地域に転入してくる。転入者は新住民となって家具を買い、新しいお店を探検する。つまり地域の消費が活発になる。活気のある地域の不動産は値段が上昇する。不動産は無類の寂しがり屋なのだ。

 この2つの法則さえ知っていれば、基本的に不動産の値上がり値下がりを判断するのは難しくない。もっとも、残念なことに日本中でこの法則のいずれかを満たすエリアは今やほんの一握りだ。価格など気にせず自分の選んだ家や地域をエンジョイしてもらいたいものだ。