今年の正月、黒川選手の実家・バッセンでの出来事
今年のお正月、奈良県にある彼の実家が経営するバッティングセンター(王寺ドームスタジアム)が僕の奥さんの実家の近所ということもあり息子と初打ちに行ってきた。ほどなくして外の駐車場が騒がしい、自主トレ中のスーパースターが現れたのだ。バッセンにきていた少年少女だけでなく、僕を含めた保護者たちも興奮した。自主トレに付き合っていた彼のお父さんがわざわざ僕を紹介してくれ、初めて彼とお話ができた。
「何年生? 名前はなんていうの? 恐竜のトレーナーかっこいいなぁ。野球は楽しいか?」
僕だけでなく息子に対しても沢山話かけてくれたのは嬉しかった。
息子も照れながら答えていると、突然
黒川「かみじょうさん、天理ラーメン食べました?」
かみじょう「いきなりなんやねん!」
黒川「この後天理ラーメン食べに行ってきますわ!」
かみじょう「好きなん?」
黒川「好きいうか、正月はまず天理ラーメン食べんと1年始まらんでしょ!」
かみじょう「人それぞれや!」
黒川「あと、初めてもらった楽天ポイントで何買ったと思います?」
かみ「えっ?」
黒川「高級松前漬けですやん!」
かみ「わかるかぁ!(笑)」
そういや高校時代の野球雑誌に好きな食べ物は松前漬けって書いてあったっけ。
あのプロ初出場初打点で浅村栄斗とのお立ち台でもらった楽天ポイントは松前漬けにかわっていた。
何が言いたいか、あのイチローさんだって朝食は必ずカレーと決めていたと聞く。スーパースターとは独特のこだわりをもっているものだ。
冗談ではなく本当に大事な部分だと思っている。
そしてバッティングセンターで何気なく聞いた質問の答えがスーパースターだったので最後に紹介したい。
かみ「1年間やってみてプロの世界はどうですか?」
黒川「やっぱりもちろんレベルは高いし、僕なんてまだまだ全然です。でももう学校の授業もないし(笑)。大好きな野球だけに集中できるので、こんな最高の場所はほかにないです。楽しくてしょうがないんですよ」
努力できる才能が一番、努力に勝る天才なし、ホントにそうか? 周りには努力にみえる事も、ただ好きな事に没頭しているだけ。これが最強じゃないだろうか。
努力はきっと好きに勝てないと思う。
誰よりも野球が好きという最強の才能を持った黒川史陽がスーパースターになる日はそう遠くないと信じている。
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