『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋
『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋

 小学生のときから「女の子っぽい」言動でからかわれ、好きになった相手に恋心を伝えられない……。ゲイの青年の半生を描いた、実話に基づいたマンガ『僕が夫に出会うまで』(原作・七崎良輔、漫画・つきづきよし)。

 物語のメインで主人公の恋愛と成長を描きながら、番外編として、母親へのカミングアウトをする話も収録しています。この話が公開された後、読者から「辛い漫画と思ったけど泣かされた」「親も社会も変わってきている」「考えさせられます」とSNSを中心に大反響。作品の累計で4,300万PVを突破しました(2021年2月時点)。

20歳の時、帰省のタイミングで母親にカミングアウトした

 主人公の七崎さんは10代の頃から「男の人が好き」であることを自覚しつつも、それを周囲に言わずに生活をしていました。けれど20歳になり、一生隠し続けることは無理だと悟り、帰省したタイミングで母親にカミングアウトを決意します。

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『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋
『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋

 自分がゲイであることを告げ、雰囲気が重くなりすぎないように「今は幸せなんだ」と明るく伝えたものの、母親はショックを隠せない表情をしていました。そして一言、「……それって、治らないの」。

『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋

「治るものじゃないし、治すものでもないよ」と答える七崎さん。けれど、七崎さんの説得もむなしく、母親は「私はまともな子をまともに育てた…私のせいじゃない」と涙をこぼします。しまいには「認められない」「私だって無理だし世間だって認めるわけがない」と七崎さんと向き合うのをやめてしまいます。

『僕が夫に出会うまで』より。©文藝春秋
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