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「わいせつ画像が拡散された学校への復帰はありえない」

 爽彩さんの親族が語る。

「Y中学の教頭先生は『うちの生徒なので戻ってきてほしい』と学校に復帰するよう爽彩に勧めましたが、わいせつ画像が、どれだけ学校中に拡散されたのかもわからない上に、加害生徒がまた近づいてくる可能性もあった。それで学校に復帰なんてありえない。そこでX中学校へ転校することにしました。その際に、自宅も引越ししたのですが、場所は以前の学区からはバスで1本では行けない、離れた場所にしました。しかし、それでも爽彩は外に出ることに怯え、新しい学校に行くことも拒んでしまったのです」

爽彩さんが通っていたY中学校 ©文藝春秋

爽彩さんの「最後の声」を聞いたネット世界の友人

 爽彩さんは、家に引きこもりがちになり、もともと関心があったネットやゲームに没頭するようになった。学校に通えなくなった爽彩さんにとって、そこだけが、家族以外にありのままの自分を見せることができる“居場所”だったようだ。

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 辛くて思い出すのさえ苦しかったはずの「イジメ」の内容について、あえて伝えたのも、相手が唯一心を開くことができるネットの世界の友人だったからだろう。

 爽彩さんはそうしたネットの友人たちに、自身が受けたイジメについて相談をしていた。そして、再び学校に通えるよう努力し、なんとか明るい未来を見出そうと必死にもがき、苦しんでいた。

爽彩さんがネットを通じて知り合った友人に送っていたLINEメッセージ

 取材班はそんな彼女の「最後の声」を聞いた友人たちに接触した――。(#9へつづく)

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