明日も勝ち進むと信じて疑わなかった
PM 1:50
Bsステージの後片付けを終え足早にライトスタンドへ。大阪紅牛會といつもの挨拶を交わす。球場に駆けつけたBsファンの数もさることながら、ライトスタンドの熱気はやはり特別で、はち切れんばかりのエネルギーでプレイボールの瞬間を待ちわびていた。
PM 2:00
平野MCの心地良くも興奮を後押しするスタメン発表の後プレイボール。そしてその約3時間後、京セラドームを感動の渦に巻き込んだ「あの一打」が生まれたのである。
PM 5:10
ここまで感動的な試合の数々を繰り広げてきた2014年Bs。この一戦でもまさに絶望の淵から生還しようとしていた。谷元を攻め二死ながらも1・2塁のチャンス、イニングは8、ビハインドは1点。この日3三振と全く良い所がなかったとは言え、やはりこの男には期待をせずにはいられない。T-岡田が打席に立つ。
その後はBsファンなら誰しもが知る結末だろう。T-岡田はヒーローインタビューで語る「完璧な当たりの場合(ミートの)手応えが無い事がほとんどだが、今回の当たりもやはり手応えがなかった」と。爽やかに笑う彼の言葉に我々は歓喜した。一生分の勝利を味わったかのような我々Bsファンは、この勢いで明日も勝ち進むと信じて疑わなかったのである。しかし運命とは皮肉なもので、翌日は10月というのに台風の接近。まさかのドーム開催試合が「荒天中止」と相成ったのである。翌々日にはこの勝利への勢いが台風と共に北上したのか、接戦をものにしたのは北のチームであった。そしてその後、現在に至るまでBsはクライマックスシリーズに駒を進めた事は無い。
これは2014年10月12日。「Bsが現在までに最後にクライマックスシリーズに駒を進めた年」の「唯一CSで勝利した試合」の「あまりに感動的な一打を目撃した」歌うたいの回顧録である。