2021年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ライフ部門の第5位は、こちら!(初公開日 2021年2月13日)。

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 可愛らしい一口サイズの四角形、頬張れば懐かしい甘さが広がる「チロルチョコ」。

 そのロングセラー商品である「チロルチョコ〈ミルク〉」が、2020年に発売30周年を迎え、発売元のチロルチョコ株式会社は今年1月12日に、お得パック商品「ミルク缶」をコンビニエンスストアなどで発売して話題を呼んだ。

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「チロルチョコ〈ミルク〉」は、1990年に発売が開始された定番ロングセラー商品だが、現在の一口サイズの「チロルチョコ」の元祖である「チロルチョコ〈コーヒーヌガー〉」が登場したのは、それよりも前の1979年にまで遡る。そこからさらに同社の始まりまで歴史を紐解いていくと、実に118年もの長い軌跡が見えてきた。

包み紙の収集暦10年以上という筋金入りのコレクターである加藤さん。

定番「チロルチョコ〈ミルク〉」は2020年で30周年

 チロルチョコ株式会社の歴史は、現在の社長である松尾裕二氏の曽祖父にあたる松尾喜四郎氏が、1903年に菓子製造業を開始したことから幕を開ける。手作りの和菓子屋饅頭のようなものを作る個人商店だったが好評を博し、1919年に松尾製菓株式会社を設立。第二次世界大戦を経た戦後、米兵の持つチョコレートなどから、日本における洋菓子ブームの黎明期が到来。チョコレートは大衆文化になっていく。

 そして、1962年に2代目社長である松尾喜宣氏がチョコレート製造に乗り出し、「チロル」ブランドが誕生。1979年に一口サイズの「チロルチョコ」である「チロルチョコ〈コーヒーヌガー〉」が生まれたというわけだ。

 そんな「チロルチョコ」の魅力、もとい“「チロルチョコ」の包み紙”の魅力にとりつかれた人物がいることをご存知だろうか? ここからは、実に2000枚以上もの「チロルチョコ」の包み紙を集め続けてきた、“包み紙コレクター”の加藤諒さん(https://www.instagram.com/everydaytirol/)に話を伺い、「チロルチョコ」の包み紙の魅力に迫っていこう。

30周年記念の「ミルク缶」版の「チロルチョコ〈ミルク〉」のパッケージ。(画像提供は加藤さん、以下同)

同じ商品でも細かな違いがある…奥深き包み紙の世界

――普通であれば捨ててしまう“「チロルチョコ」の包み紙”を収集するようになったきっかけから教えてください。