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「なにかあったときに証言してほしい」

 その後、危険を感じた五十嵐さんは友人に電話をかけ、「なにかあったときに証言してほしい」「交番に行く」と話したという。しかし、この電話が女性と五十嵐さんの最後のやり取りになった。

 翌23日午前7時前、石原被告の119番通報で救急隊員が自宅へ到着した。3階のベッドの上で全裸で横たわった状態の五十嵐さんが発見され、その場で死亡が確認された。

「遺体からはアルコールとともに致死量を超える覚せい剤が検出され、日本酒のおちょこからも覚せい剤が見つかりました。遺体の覚せい剤は、口と陰部から検出されています。

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結婚式での五十嵐さん

 石原被告は捜査段階の取り調べから一貫して『覚せい剤は五十嵐さんが持ち込んで、自ら多量に摂取して自殺した。自分は覚せい剤を所持したことも使用したこともない』と主張しています。しかし毛髪などを鑑定した医師によると、石原被告から覚せい剤の成分が検出されるどころか、常用者からしか検出されない物質も出ているんです。五十嵐さんからは常用を疑う要素は出ていません」(同記者)

 警視庁関係者によると、現場のゴミ箱にはコンドームが2個見つかり、“大人のおもちゃ”も見つかっているという。

目的は“キメセク”?

 慎重に捜査を進めた警視庁捜査1課は事件から7カ月後の2019年3月6日に、殺人と覚せい剤取締法違反容疑で石原被告を逮捕。東京地検は「殺意は認められない」と傷害致死罪に切り替えて起訴した。

「本人が認めていないので真意はわかりませんが、警視庁は覚せい剤の分量が多すぎることで、当初殺意があったとみて捜査を進めていました。しかし、殺そうとしたというよりは薬物でハイになった状態でいわゆる“キメセク”がしたくて多く飲ませたのではという見立てです」(別の大手紙社会部記者)

ウェディングフォトで幸せそうな表情の五十嵐さん

 司法解剖の結果、五十嵐さんの死亡推定時刻は22日の午後6時ごろ。通報するまでに12時間以上かかっていることになる。

「この間に、石原被告は『(薬物を)使ったら女の子がおかしくなった』と知人に電話したり、別の知人を自宅に呼んで、封筒の中に入った“何か”を捨てさせている。その後の捜索では発見されていないのですが、この時捨てさせたのが覚せい剤だったとみられます」(同記者)