都庁内の執務室があるフロアで男女の職員が・・・

「肉体関係を迫られ断れなかった」。女は当時をそう振り返る。西新宿の高層ビル群にそびえ立つ東京都庁の庁舎内。執務室のあるフロアの人影のない場所で、中年の男女が"行為”に及んでいた。2人は東京都の職員で、上司と部下の間柄ではなく、仲の良い同僚同士。人知れず庁舎内での逢瀬を重ねていた2人は、その日の”行為”の感想をメールでも語り合っていた。

都庁内の執務室のあるフロアが性行為の”現場”だった

この”行為”とは、当然、”性行為”のこと。まるで官能小説の一遍のような内容だが、実は、これは、28日に行われた東京都の懲戒処分会見で出た話だ。オリパラ準備局に所属する52歳の男性職員と、福祉保健局に所属する49歳の女性職員は、2012年8月から2017年3月にかけて、庁舎内の業務用パソコンを使って、お互いに、私的な内容のメールをやりとりしていた。

「公益通報制度」により庁舎内での性行為が発覚

そんな中、組織内の不正を内部告発する「公益通報制度」を使って、2019年に、何者かが、2人の”関係”を通報。「証拠」として2人のメールのやり取りも添付されていた。東京都が調査に乗り出したところ、男性職員が176件、女性職員が105件、業務用のパソコンを使って私的なメールを送っていたことが判明した。

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東京都の懲戒処分会見で2人の私的メールと性行為が発表された(画像は都庁会見室)

そして、その中に、性行為の感想を語り合うメールが見つかり、庁舎内での”逢瀬”が発覚したという訳だ。東京都では、メールの内容から判断して、2013年2月と9月に合わせて2回、庁舎内での性行為があったと認定した。"現場”として庁舎内を選んだ理由や、2人の詳しい関係性などは明らかにされていない。

冒頭で述べた通り、女性職員は「肉体関係を迫られ断れなかった」と告白。男性職員は、私的メールのやりとりは認めているものの、性行為については否認している。東京都は2人をいずれも停職3カ月の懲戒処分とした。そもそも個人の携帯電話でも連絡を取り合っていた2人が、なぜ、わざわざ役所のパソコンを使って”感想”を語り合っていたのか・・・。