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 事件の11日前の7月21日深夜、MちゃんとMちゃんの兄は、2人だけで自宅から約1キロ離れたコンビニを訪れた。

 こんな時間に小さな妹を連れ出していることを不審に思った店員が警察に通報し、2人は自宅に送り届けられた。警察はその後児童相談所にも報告したが、その当時Mちゃんには目立ったケガは見られなかったという。児童相談所は、8月4日に母親から事情を聞く予定だったが、その前にMちゃんは帰らぬ人となってしまった。

ジャングルジムには花束や飲み物が供えられている Ⓒ文藝春秋

「4月頃から家賃が滞納されていた」

 Mちゃんの家庭が抱えていた複雑な"事情”について、地元紙の記者が解説する。

「実はMちゃんとその兄、そして母親が今の家で一緒に暮らし始めたのは2021年の4月からなんです。母親は数年前に児童相談所から“経済的な理由で育児困難”と判断されてたため、兄は京都府内、妹は大阪府内の児童養護施設に別々に預けられていました。4月に一緒に暮らすようになって以降は、児童相談所のスタッフが月に1回ほど自宅や学校を訪問していたようです」

 3人が生活していた大津市内の自宅を取材班が訪れると、家の前には椅子や冷蔵庫、布団などが山積みにされていた。ドアの正面には、Mちゃん用と見られる真新しい水色の子ども用の自転車がぽつんと置かれていた。

Mちゃんと兄の少年が母親と暮らしていた家 Ⓒ文藝春秋

 近所の住人は、Mちゃんの印象をこう振り返る。

「1年ぐらい前に引っ越してきて、特に変わった様子は感じませんでした。ご近所付き合いはありませんでしたけど、娘さんはたまに見かけました。可愛らしい子でしたよ。お兄さんの方はあまり外で見かけませんでしたね」

 3人が住んでいた建物は、築32年の3LDK。4月に3人で暮らし始める前は、Mちゃんの母親が夫と2人で住んでいたという。地元の不動産会社関係者が語る。

「Mちゃんのお父さんとお母さんが引っ越してきたのは昨年の10月頃でした。60歳くらいで体格のいい短髪の旦那さんと、40歳くらいで色白の奥さんの2人でした。当初から『いずれ子どもと一緒に住むかもしれない』と話していました。その後、みるみるうちに玄関の前に荷物が積み上げられていくようになりました。あの家は賃貸で家賃は5万円ほどですが、3人で暮らしはじめた4月頃から家賃が滞納されていたと聞いています。子供たちが来てからは、旦那さんの姿はあまり見かけていませんね」