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〈証拠文書入手〉斉藤鉄夫国交相の支援団体も「有権者買収」の疑い

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手書きで案内状に「旅費をお渡しします」

 そして、案内状の末尾には、手書きで以下のように綴られていた。

〈各位 当日受付近くで広島北支部のA(注・原文では実名)が旅費をお渡ししますので受付前に対面できる様ご配慮願います。〉

斉藤事務所の案内状

 この〈旅費〉について、内情を知る広島県トラック協会関係者が言う。

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「国光氏の選挙では、茨城県トラック協会が設立した『運輸政策研究会』が参加者に〈日当〉を支払っていたようですが、斉藤氏の選挙でも、広島県トラック協会が設立した任意団体『広ト協政策研究会』が〈旅費〉を支払うことを約束していました」

 公職選挙法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が解説する。

「民主主義の健全な発達を目的にした公選法では、選挙運動で金銭を支払うことができるのは、事前に登録したウグイス嬢など一部の選挙運動員に限ると厳格に定められています。つまり、例外を除き、有権者・運動員ともに原則金銭を配ってはいけない。当選させる目的で金銭を支払っていれば、有権者買収に当たります」

 実際はどうだったのか。

 運送会社関係者が次のように証言する。

「実際、グランヴィアの演説会に参加した人は、宴会場の前に到着すると、飲食店の“順番待ち”の際に書くような紙に記帳をした上で、4千数百円の旅費を受け取ったそうです」

問題の個人演説会(公明党HPより)

 広島県トラック協会は広島市内の協会本部で、専務理事、常務理事、事務局長の3 名が取材に応じた。

――グランヴィアでの演説会で旅費を支払っていた。

「広ト協政策研究会の規約に基づいて旅費を支払ったもので、選挙活動として特別に支払ったものではございません。法に基づき対応していると考えておりますので、これ以上の説明の必要はないのかな、と」

――演説会の参加者には有権者を含みますよね?

「はい」

――そこに旅費を支払った。

「ええ、だから……これ以上説明の必要はないと考えています」