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その他にも、例えばフランスで最多の1600万人ものチャンネル登録者数を誇る、超人気YouTuberのスクイージー(Squeezie)がプロデュースするストリート・ウェアのブランドであるYOKO SHOPでは、以前から暴走族をモチーフとしたアイテムが販売されている。日本の不良文化は、遠く離れたフランスにおいて、日本の人びとの予期せぬ形で、アーバン・カルチャーやポピュラー・カルチャーに対する影響力を拡大している。
不良マンガから「furyô」へ
前述したル・モンド紙の記事の中では、『東京卍リベンジャーズ』の大ヒットによって、「不良」というキャラクター像がますますフランスで定着したことで、フランスの出版社が「不良マンガ」を発売することのハードルが下がっているという分析がなされている。実際、奥嶋ひろまさによる『異世界ヤンキー八王子』や、南勝久による『ザ・ファブル』など、不良マンガの影響が色濃いとされる作品のフランス語版の発売が相次いでいるようである。
日本の「少年マンガ」を意味する言葉である「shōnen」は、今やフランスにおいて広く知られる言葉となった。果たして日本の不良マンガも今後、「furyô」という一大ジャンルとして、フランスにしっかり根付いていくのであろうか。
冒頭にも書いた通り、フランスにおいて日本のマンガは、かつてないほどの黄金時代を迎えている。日本が生んだ不良たちは、この時代の風をうけて、ますます躍進することができるのであろうか。