「日大だと思ってバカにしていますよね」
井ノ口氏は検察に対し、「私はお金を受け取っていません。田中理事長も長年貯め込んだものが相当あるので、お金には困っていません』などと疑惑を否定。約2年前から体調を崩している田中氏は、9月12日に検察側に診断書を提出。優子夫人もそろって翌日から入院したという。
田中氏は入院直前の事情聴取で次のように検事に語り、煙に巻いているという。
「検事さん、私を最初から悪人と決めつけているんでしょう。たしかに見た目も評判もよくないことは分かっていますし、ヤクザみたいなもんです。しかし、私は相撲道に生きる男です。相撲取りがコメに困ることはないんです。だから、口利きのようなことはしませんし、知りません。頼まれてもアゴにする(角界用語で「断る」の意)。検事さんも相撲取りになれば分かります。
検事さん、東大出身ですか? 日大だと思ってバカにしていますよね。その通りバカです。私はマワシで学士になりました。検事さんは真面目に勉強されて学士になったはずです。でも、同じ学士です。大学で差別しないで下さい。マワシさえあればコメには困りませんし、コメは白いですよ。私はシロです」
国税局や警視庁検察庁局が切り込めなかった日大という「伏魔殿」を、田中氏はいかにして築き上げたのか。10月8日発売の月刊「文藝春秋」11月号では、西﨑氏によるレポートを10ページにわたって掲載。田中理事長の政官財界から裏社会におよぶ人脈、豊富な資金力、相撲界における絶大なる権力について詳細に報じている。
【文藝春秋 目次】葛西敬之・老川祥一・冨山和彦・片山杜秀 危機のリーダーの条件/財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」
2021年11月号
2021年10月8日 発売
定価960円(税込)