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北海道らしい、広々とした駅なんだろうと思いきや…

 道外に暮らしている人は、北海道にやってくるだけで気持ちが昂ぶるものだ。特急「北斗」の車窓からは噴火湾に沈む夕日が見えて、平地部を走るときにはどこまでも続く北海道らしい草原が大パノラマ。仕事だろうが旅行だろうがなんだろうが、北海道の車窓は東京のそれとはまったく違っている。そうしてだんだんと車窓にビルが増えてきて、ようやく札幌駅に到着する。北海道らしい、広々とした駅なんだろうなあ……。

 そう思って列車を降りたら、まったく違う印象だった。さすが天下の札幌ターミナル、高架のホームは5面10線、JRタワーという名の巨大な駅ビルと札幌市営地下鉄に直結する地下街も持つドデカい駅だ。

 が、ホームがまるごと巨大な屋根に覆われているからなのか、なんだかホームが薄暗いのである。冬にはたくさん雪が降るから屋根が重厚なのは仕方がないのかもしれないが、もう少し明かるくしてくれてもいいのになと思うのである。

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案内板で分かる北海道の広大さ

 それでも、ホームからコンコースに降りて改札口のあたりまで来れば、いかにもターミナルらしい光景が見られる。盛んに往来のある賑やかさもそうだが、改札の上に掲げられている発車列車の案内板だ。

 行き先には「旭川」「函館」「釧路」「小樽」「新千歳空港」「網走」。小樽や新千歳空港は札幌からそれほど離れていないが、函館釧路網走に至っては数時間もの時間距離。北海道はとにかく広すぎるというが、それは札幌駅に来るだけでも充分に体感できるのだ。

 

 改札口を抜けると、札幌駅の南北をつなぐ自由通路だ。札幌駅の自由通路は東西に1本ずつあって、どちらも似たような顔をしている。

 大きな違いは南側にある。東側の通路を行けば、南側の出入り口の手前に赤いオブジェが鎮座して、西側の通路には白いオブジェが出迎える。どちらも待ち合わせスポットになっているようで、大志を抱く札幌の若人たちが友人や恋人を待っている。

 
 

 札幌駅の正面は、このオブジェのある南側。駅前には立派すぎるほど立派な広場があって、その先には街路樹も美しい札幌駅前通が伸びる。その道を、10分ほども歩けば大通公園だ。