今や「論破王」として不動のポジションを築いた、2ちゃんねる開設者・ひろゆき氏。その妻・西村ゆかさん原作のエッセイマンガ『だんな様はひろゆき』( 漫画/wako  朝日新聞出版) が売れている。発売2ヵ月で4刷となり、紙と電子書籍合わせた売上は3万部を超えた。

 作中のひろゆき氏は《実はポイントマニアで「お得」のキーワードに弱い》《モフモフ系にすぐ心を奪われる》など、意外な素顔が明かされる。マンガに入りきらなかった夫婦のエピソードをゆかさんに聞いた。(全2回の1回目/後編を読む)

 

一緒にいるうちに《変》が普通に

──ひろゆきさんをひと言でいうと、どんな人ですか?

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西村 えーと、《変》。……短すぎます? 《変かわいい》みたいな感じで、少なくとも普通じゃないなというか。一般的な社会人としては若干ズレてる感じはしますけど、ずっと一緒にいるので、私の中では彼の挙動はスタンダードになってるんです。

 というのは私、彼と18年ほど一緒にいるんですよ。それくらいの年月を重ねると、私の中で《変》に対する耐性がついてくるというか。耐性レベルが上がっている気がします。

西村ゆかさん(撮影/ひろゆき氏)

──慣れてくるんですね。  

西村 この本にも変な宇宙語をしゃべる話があるんですけど、本当に朝からずっと「シュッシュッ」と言ってるんです。

 たとえば私が何か尋ねたら、「YES」の代わりに「シュッシュッ」で答えたり。もう7年ぐらいやってるかもしれない。

だんな様はひろゆき』(原作/西村ゆか 漫画/wako 朝日新聞出版)

──7年は長いですね。

西村 一度ハマると長いんですよ。私は「シュッシュッ」と言われても意味がわからないので、最初は怒ってたんですが、ある日ふと、怒るのがバカらしくなって。

 それに何度も聞くうちに、言い方や使うシチュエーションによって、彼の意図をなんとなく汲み取れるようになったんです。

──夫婦の会話として成立したんですね。

西村 そうなんです。最初は「正気じゃない!」と思っていたことが、だんだん普通になっていますね。

──では、《かわいい》と思う部分は? 

オンライン取材でのユカさん ©文藝春秋

西村 彼は今45歳なんですが、誕生日を迎えるときに地味にショックを受けていたんです。

 誕生日が11月16日で、その数日前に2人でコーヒーを飲んでいたら、彼がいきなり「どうしよう、おいらもうすぐ45歳になっちゃう!」と言いだして。

 私としては「誕生日がくるんだから、年をとるのは当たり前よね」と思うんですが、彼はずっと「どうしよう!」とか「信じられない」と言ってて。私より乙女だなぁと思いました。

──(笑)。意外とそういうこと気にする人なんだ……という。