単純賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けた黒川弘務・元東京高検検事長(64)が、上場企業の社外取締役に就任していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。
黒川氏は新聞記者らと賭けマージャンをしたとして、単純賭博罪に問われ、昨年3月、罰金20万円の略式命令を受けた(罰金は納付済み)。
東京新聞が報じた刑事裁判の記録によれば、今後は「弁護士として社会に尽くしたい」と供述していたというが、1月25日現在、弁護士登録はされていない。
その黒川氏は昨年12月24日付で、東証ジャスダックに上場している「ETSホールディングス」(東京都豊島区)の社外取締役に就任していた。ETSは主に電気工事や再生エネルギー事業を手掛けており、2月に創業100周年を迎える老舗企業。ホームページでは、黒川氏の経歴とともに社外取締役に就任したことをリリースしている。
「ETSの売上高はこの5年間、50億円前後で推移しています。ただ、コロナの影響で民間投資が厳しい中、公共投資が底支えする構図。黒川氏の豊富な政財界人脈に期待するところも大きいのでしょう。同社のIR資料によれば、社外取締役の報酬は一人当たり年360万円と見られます」(経済部記者)
黒川氏の携帯電話を鳴らした。
「黒川です」
――週刊文春ですが。
「あ、結構です。失礼しました」
ETSに黒川氏を起用した経緯などを尋ねたところ、以下のような回答があった。
「当社は個別の取材には応じていません」
1月26日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び1月27日(木)発売の「週刊文春」では、黒川氏とETSの関係のほか、ETSの筆頭株主である不動産会社でもコンプラアンス委員会の社外委員を務めている事実、黒川氏が自ら立ち上げた経営コンサルティング会社などについても報じている。
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