新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、独自の「校内ロックダウン」を実施している防衛大学校。今年1月17日から21日、防衛大が「スキー訓練」を実施後、複数の学生がコロナに感染していたことが「週刊文春」の取材でわかった。
全寮制の防衛大では現在、すべての学生に〈外出は当面の間、禁止〉と通達している。1月5日に行った抗原検査で複数の学生の陽性が確認されたことを受け、その日のうちにロックダウンすることを決定。対面授業と訓練は当面中止、陽性者と濃厚接触者は敷地内にある体育館などで隔離されることになった。年明けからの陽性者は2月7日時点で150名以上、濃厚接触者は200名以上になるという。
「プライベートな空間は全くない状態で学生たちが隔離されています。被災地の避難所のような状況。特に総合体育館は、空調設備もないため非常に寒い。そんな場所で何週間も雑魚寝して過ごすのは辛すぎる。体調を崩してしまいます」(配膳を担当する1年生)
その後、1月17日にロックダウンは一部緩和。対面授業と訓練は再開されたが、陽性者と濃厚接触者の隔離は引き続き行われている。
そんな状況下で開催されたスキー訓練。毎年、2年生だけが参加する恒例行事で、新潟県妙高市のゲレンデで行われる。学生たちによると、「他の訓練とは違い、“思い出づくり”の意味合いが強い」“合宿”のようなイベントだという。参加した2年生が語る。
「昨年は新型コロナウイルスの感染状況が悪化していたため、実施は見送られました。ところが今年は実施されたのです。圧倒的に今の方が感染者数は多いので、『当然ないだろう』と思っていたのですが……」